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アンティーク時計300本の収益金を市に寄付。その貴重なコレクションは本として後世へ|菊地吉正の時計考_014

2018年に筆者が撮影した故・益井俊雄さんと時計博物館

「アンティーク腕時計300本で奨学金新設 あるバイヤーが残した願い」と題した朝日新聞の記事が25日Yahooニュースに掲載された。

かつてアンティークウオッチのバイヤーで、2022年に亡くなられた益井俊雄さんがバイヤー生活30年間で収集したコレクションの中から約300本を海外の有名ウオッチオークションに出品。その収益金1億2000万円を生前の「学ぶ意欲のある高校生を支援したい」という遺志を受け継いだご遺族が出身地である島根県浜田市に寄付。奨学金の資金として活用されると報じた。

益井さんは、後世に残したいと、800本以上あるコレクションのうちの約500本を展示する私設の時計博物館を故郷である島根県に自費で建ててしまった人物だ。その名も“ヴォガ・ウオッチミュージアム&カフェ”。オープンしたのは2017年4月29日と亡くなる5年前のことだった。

ウオッチミュージアム ヴォガ アンティークコレクション(4950円、シーズ・ファクトリー刊)

実のところ筆者は、設立にあたって益井さんの膨大なコレクションを、撮り下ろしの写真と日英の解説付きで収録した「ウオッチミュージアム ヴォガ アンティークコレクション」(4950円、シーズ・ファクトリー刊)という324ページの分厚い本を作らせていただいた。コレクションを博物館に展示するだけでなく資料としても後世に残したいという益井さんの強い想いがあったからだ。

ただ歴史的にも貴重な古い時計コレクションを本人が亡くなった後も所有を維持し続けることはかなり困難というのが現実。益井さんはそういうことも見越してのことだったのだろう。残念ながらすべてを実機で見ることは今は叶わなくなってしまったが、私設博物館を作ってまで注がれた益井さんの時計に対する熱い情熱は、この膨大なコレクションの記録本とともに、今後もしっかりと後世に受け継がれていくに違いない。

【画像】私設の時計博物館と本の写真をもっと見る

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菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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