近年多方面から注目を集め、確実に人気が高まっているカルティエの時計。なかでも、ひと昔前(1980〜2000年代のポストヴィンテージ期)の生産終了モデルはまだ市場の評価が追いついておらず、狙い目だと話す業界関係者も少なくない。
以前の記事では、マストタンク(マスト・ドゥ・カルティエ)を取り上げたが、今回は90年代〜00年代にかけて人気を博した“パシャ”シリーズをクローズアップ。ユニークな意匠と手が届く価格帯が魅力的なカルティエの個性派時計の魅力を紐解いていく。
【写真全11枚】大ヒットシリーズ“パシャ”バリエーションを一挙に見る
様々な個性派の名作が誕生し、アンティークほど高騰していないため狙い目のモデルも多い1980年代〜2000年頃。この時期に個性的かつエレガントな意匠で一世を風靡したのが“パシャ”である。95年にユニセックスに着けられる小振りな廉価ラインのパシャ Cが登場して以降はさらに注目を集め、ロングセラーとして人気を博した。

■SS(38mm径)。自動巻き(Cal.2892 A2)。1997年製。参考商品
上写真のモデルはカルティエの創業150周年を記念し、97年に1847本限定で生産されたアニバーサリーモデル。格子状のグリッド付きのラウンドケースにミニチェーンでリューズプロテクターを固定した“パシャグリッド”をベースに、ブランドカラーであるボルドーのカボションルビーと革ベルト、往年のCロゴ装飾が施された文字盤など特別仕様が魅力的な一作だ。
このモデルは周年記念モデルのため相場が高め(約50万円〜80万円)だが、ロングセラーだっただけに通常モデルは個体数もバリエーションも市場流通が多く、まだアンダー50万円で十分狙うことができる。
また、この時期のレアモデルはまだ市場でそれほど評価されていない個体も多く、思わぬ掘り出し物に出合えるチャンスもあるのが非常に魅力的。フレデリック・ピゲなどの高級キャリバーが入ったモデルも多数存在し、汎用機のエタ搭載機種ともまだ価格差が小さいため、そういったモデルを押さえておくのもおすすめだ(前述のパシャ限定モデルも汎用キャリバー搭載とは言え、50万円台から狙えるのはうれしいところ)。
小売りの評価が追い付いていないため、資産価値の観点としても将来性が期待できると話す関係者も。カルティエの入門機としてもおすすめのちょい古パシャ、2026年注目モデルのひとつとして、チェックしておきたい。
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文◎市村 信太郎
