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レオニダス
RLM-Nav
ミリタリーウオッチの歴史において、1940年代は実用性と機能美が極限まで突き詰められた黄金期と言える。今回スポットを当てるのは、その時代を象徴する希少な逸品、ドイツ空軍向けに製造されたレオニダスのRLM-Navだ。
ヴィンテージのミリタリーウオッチ市場において、イタリア軍やフランス軍をはじめとして、多国籍の軍隊にクロノグラフを供給してきたレオニダス。1841年に設立された同社は、早くからストップウオッチやクロノグラフの製造に特化していたとされている。バルジュー社やヴィーナス社といった一流のエボーシ会社)から質の高いムーヴメントを仕入れ、それを軍用時計として求められる堅牢な仕様に合わせて、チューニング・ケーシングする技術に極めて優れていた。
モデル名にある“RLM”とは、当時のドイツ航空省(Reichsluftfahrtministerium)の略称、“Nav”はナビゲーター(Navigator/航法士)の意味であり、過酷な飛行任務に挑むパイロットや航法士のために制定された厳しい要求仕様に基づき、各メーカーから納入された高精度ミリタリーウオッチ規格の一つであったのだ。レオニダスのほか、ミネルバ、ユニバーサル、レマニアなどでもRLM-Navが製造されていたそうだ。

【写真の時計】レオニダス RLM-Nav。SS(38mm径)。手巻き(Cal.バルジュー22)。1940年代製。148万5000円。取り扱い店/プライベートアイズ
【画像:特殊な構造の裏ブタやクロノグラフムーヴメントの状態を見る(全6枚)】
外観に注目すると、40年代の腕時計としては異例とも言える、38mm径の大型ケースが特徴的で、ベゼルには段差を設けたステップデザインが採用されている。また、ケース構造に注目すると、ミドルケース側に形成されたネジ山へ、裏ブタの内側にねじ切り可能のされた裏ブタをねじ込むという、ビンの蓋のような構造が特徴的だ。軍用時計としての気密性と耐久性を模索する中で生まれた、当時の試行錯誤を物語る非常に興味深い設計と言える。
視認性を高めるためのブラックダイアルには文字部分に下地出し技法(ギルト)が用いられており、経年変化によって荒れた文字盤表面の質感が味わい深い。針やインデックスの夜光も、ほどよく焼けた質感が魅力的だ。
ムーヴメントには、バルジュー社の歴史的名機であるCal.22を搭載。大型の手巻きクロノグラフムーヴメントで、非常に堅牢かつ高精度。軍事用途を考慮し、当時としては最先端の耐震装置を備えている。
数あるヴィンテージのミリタリーウオッチのなかでも、堅牢性や正確さを追求した作りこみが魅力的なレオニダスのRLM-Nav。他社製のミリタリークロノグラフと比較して、徹底的なこだわり具合を確かめてほしい逸品だ。
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文◎LowBEAT編集部/画像◎プライベートアイズ

