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【製造期間は何と数カ月?】国産初の高級時計として登場したセイコー“ロードマーベル”。その超希少な通称“Lロード”とは!

ちょうど1カ月ぐらい前になるが、『10万円台なのにグランドセイコー2ndに次ぐ品質。買うなら“高性能”それとも“希少”』と題して、1966年以降のクラウンタイプのセイコー ロードマーベルを取り上げたが、今回は58年にセイコー初の高級ラインとして誕生した最初のロードマーベルを取り上げる。

前回も触れたが、今回取り上げる初期タイプ(1958~1964) と以前取り上げたクラウンタイプとでは同じロードマーベル名であっても実はまったくの別物。この初期タイプはムーヴメントを海外製品の模倣ではなく初めてセイコー独自の設計で開発したムーヴメントを搭載する歴史的なモデル“マーベル”の直系だ。

高精度化を図るため、スムーステンプが用いられ、さらにテンプが左右に触れる際に中心位置がズレて安定しない、片振り(ビートエラー)を修正するために可動ヒゲ持ちが採用されている点が特徴。

加えて高級モデルらしく磨きこまれたインデックスや柔らかいラインを描くケース、彫り込まれたロゴなどの外装をはじめムーヴメントのパーツにも徹底的な仕上げが行われなど高級ラインとしてのどこか品を感じる、そんな作りだ。そのためディープな時計コレクターほどグランドセイコーのファースト以上に評価は高かったりする。

そしてここに取り上げたのは、そんなロードマーベルの中でも製造期間わずか数カ月といわれる極めて希少な通称“Lロード”だ。これについて国産時計研究家の本田義彦氏は次のように語っている。

「初期のロードマーベルで注目はその世代の特徴ともいえる掘り込まれたロゴです。わずか2年余りの期間に以下の3種類が存在していました。
①原則1958年の個体にのみ見られる12時位置にアルファベットの「S」が配置された「Sマーク付き」(ケース番号は、SSが14056でGFが14057)
②1959年前半の個体にのみ出現したSのない「S無し」(ケース番号はSマーク付きと同じ)
③その後に登場した「普通の彫り文字盤」(ケースはひと回り大きい通称ハマグリ)

本田氏は特に②番について「ロゴにかなり試行錯誤していた時期だったと見受けられて、ロゴの書体にもバリエーションがあります」と言う。

その中でも通称Lロードと呼ばれる「L」の先端がループ状になっているこの個体のタイプは、ロゴが特徴的なのと何と言っても製造期間が数カ月と極めて短くいまとなってはかなりの希少品。そのためヴィンテージセイコーの中でも今後はさらに入手が難しくなる個体のひとつとなることは必至なのだそうだ。

初期のロードマーベルは、グランドセイコーに比べるとかなり地味でマニアックなチョイスかもしれないが、愛好家には評価の高い歴史的なモデル。もしを狙う際はこんな点にも注目してみてはいかがだろうか。

【画像】同時期の一般的なロゴとLロードの違いをチェック

セイコー ロードマーベル(通称Lロード)
Ref.14056。SS(35mm径)。手巻き。1959年製。42万9000円
協力◎JAPAN VINTAGE WATCH SHOP
https://lowbeat.jp/jvw-shop/year/1950/seiko-lordmarvel-early-type-/

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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