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「これ本当にパテック フィリップ!?」90年代の異色すぎる意欲作“ネプチューン”【お宝発見!実機で深掘る平成レトロな名作 Vol.1】

世界的なヴィンテージブームにおいて、これまであまり日の目を見なかった1990年代生まれのモデルへの注目度も少しずつ高まっている昨今。時計界における90年代は、往年の名門の復活と数々の新興ブランドの誕生を背景にアイコンモデルを多く輩出した時代である。

そこで今月から毎週土曜の連載として、平成初期のアイコニックな意匠を備えた名作を毎週1モデルクローズアップ。初回はパテック フィリップが96年に発表した異色モデル“ネプチューン”を紹介しよう。

【実機写真6枚】パテック フィリップの異色作“ネプチューン”


80年代後半からの機械式時計復権の流れを受けて、90年代半ばから各社が注力した新コレクションの開発。ブレゲのアエロバル、ヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズが登場したのもこの時期だが、パテック フィリップもその例外ではなく、96年にノーチラスのカジュアルラインとしてアクアノートを発表している。

パテックがアクアノートで目指したのは新たなユーザーの開拓。従来の印象を覆すスポーティなデザインにより、このミッションを見事に実現したと言える。

ただし、当時、新たに発表されたコレクションがすべて支持を集めたわけではない。日の目を見ることなく、ひっそりと姿を消した時代の徒花といえるのが、90年代後半に登場した本作“ネプチューン”だ。

■SS(36mm径)。6気圧防水(新品時)。自動巻き(Cal.315SC)

PATEK PHILIPPE(パテック フィリップ)
ネプチューン

ノーチラス、アクアノートに続くスチール×ブレスレット仕様のスポーツラインとして1996年にリリースされた異色モデル。幅広のベゼルからブレスレットにかけて施された装飾など、パテック フィリップにしてはかなりクセが強い意匠が特徴となっている。

【実機写真】こちらも抜群の雰囲気!“ネプチューン”の白文字盤モデル


ジェラルド・ジェンタがデザインを手掛けたアクアノートのスポーティなデザインとは対照的に、スポーツとドレスの中間ともいえるスタイルと、装飾的なディテールのデザインが特徴。独自設計されたブレスレット、ブレスレットと連動したベゼルの装飾と、少々クセの強いデザインのため現在の感覚で見るとレトロな印象を感じさせるが、そこが良くも悪くも90年代らしい雰囲気を感じさせる。

ディテール面で特筆すべきは、別体で仕上げられた技ありのブレスレット。一見するとフラッシュフィットは一体型で製作されたように思えるが、仔細に見ると実は五つのコマを目視では隙間がわからないほど密接に設置しているのがわかる。パーツを切削、成形、研磨する極めて高度な職人技術と、手間を惜しまない丁寧な仕事が施されているのだ。

パテック フィリップが、名門の地位に甘んじることなく果敢なチャレンジを試みた歴史的な記録だという点もマニア心がくすぐられるポイントだろう。


気になるのが実勢価格だろう。正直、パテックのなかでは知名度が低いモデルということもあり、十数年前まではユーズドの実勢価格で100万円未満だったのだが、近年のラグジュアリースポーツブームを経て300万円以上にまで上昇している。さらに時代を経ていくことでどのような評価を獲得していくのか、今後の動向が楽しみなモデルと言えるだろう。

 

文◎Watch LIFE NEWS編集部

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