“ウィームス・セコンドセッティングウオッチ”と呼ばれる時計をご存じだろうか。1929年にパイロット向け航空時計として開発されたもので、アンティーク時計愛好家にはよく知られる歴史的な腕時計である。
ここに紹介するアウトライン・セコンドセッティングは、40年代に軍用向けに改良されてロンジンやオメガなど様々な時計ブランドが製造を担ったことで知られる第2世代から着想を得て開発された。
今回、その新顔が登場。ロフトやマルイで知られる時計のセレクトショップ“オンタイム”と“ムーヴ”の店舗限定商品として本日から販売が開始される。では、どこが新しいのかというと大きく二つ。ひとつは時計愛好家の間で“トロピカル”の愛称で呼ばれるブラウンカラーの文字盤という点。しかもグラデーション仕様である。
二つ目は、既存モデルと同様の革ベルト仕様ではなく30年代後半に開発されたハシゴ形の歴史的なブレスレットを忠実に再現したアウトライン・バンブーブレスレット(1万9800円で単品でも販売)が標準装備された特別仕様という点だ。そのためミリタリーテイストがグッと強まった魅力的な仕上がりとなっている。
搭載する自動巻きムーヴメントは、シチズン傘下のミヨタ製Cal.9039。毎時2万2800振動の高性能機である。そして、裏ブタのシースルーバックからはその動きを見ることができる仕様だ。
また38mm径の小ぶりなケースサイズに厚さ12.7mmとほど良く着けやすいサイズ感なのは大きな魅力。加えて標準装備されたハシゴ型ブレスの独特で軽快感のあるそのスタイルはファッションのアイコンとしても最適で、流行りのオフィスカジュアルな装いなどに程よいアクセントを加えてくれるに違いない。
当時のセコンドセッティングとはどんな時計なのか?
さて、このセコンドセッティングだが、そもそも当時どのような時計だったのかというと、冒頭でも触れたようにパイロット向けに開発されたもので、経過時間を計測するための機能を装備しているのが大きな特徴。
そのため60秒表示の目盛りが付いた双方向回転ベゼルと、計測時にベゼルが動いてしまうのを防止するためのロック機構が装備されており、それを操作するための大きめのボタン(4時位置)と時刻調整などを行う通常リューズ(3時位置)の二つを備えている。
使い方はいたって単純。ベゼル上の“60”の位置を計測開始時の分針の位置にセットするというもの。そうすることによって分針と秒針とによって何分何秒経過したかが細かくわかるというものだ。これがいわば“セコンドセッティング”という愛称の由来になっている。
ソリッドな回転ベゼルにハシゴ形のバンブーブレス、そして4時位置のロックボタンといい、ほかとは違う独特の存在感を放つアウトライン・セコンドセッティング。ぜひ、オンタイムとムーヴの店舗で実機を手に取ってその魅力を確かめてほしい。
【アウトライン・セコンドセッティング】
【SPEC】
●型番: Ref. YK20254-1TPBO
●素材:(ケース)316Lステンレススチール、(ブレスレット)304ステンレススチール
●サイズ:ケース径38mm(ベゼル径39mm)、ケース厚12.7mm
●防水性:10気圧防水
●駆動方式:自動巻き(日本製Cal.MIYOTA9039 /24石/毎時2万8800振動(日差-10秒+30秒)/最大巻き上げ時42時間パワーリザーブ/秒針停止機能搭載)
●装備:双方向回転ベゼル、ベゼルロック機構(4時位置)、シースルーバック
●価格:66,000円(組み立て:日本)
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