Fleux Watches(フルークス ウォッチ)は、オンタリオ湖の北西岸に位置する、カナダ最大の都市トロントを拠点とする、日本未上陸の独立系マイクロウオッチブランドだ。2023年5月、Kickstarterで実施したキャンペーンの成功を経てエドワード・チョーによって創設された。
ブランド名の“フルークス”は、現代的なダイビング用リブリーザーの発明者であるアンリ・フルースに由来し、発音を調整した名称となっている。
創業者エドワードは、祖母が毎日の日課としてラドーの機械式腕時計を巻き上げる姿を見て育った。ゼンマイを巻き上げていた祖母から「時計を生き返らせるためには餌を与えなければならない」という言葉を聞いたエドワードは、機械的な物体に餌を与えるという思考に魅了され、時計を生物のように感じるようになった。
【画像】型違いで2機種、“フルークス ウォッチ”のダイバーズウオッチを見比べる

初めて手に入れた腕時計は1989年製のタイメックス・アイアンマンで、遊び場の過度の摩耗により、最終的には壊れてしまったが、腕から外すことがないほど大切な存在であったようだ。
それ以降も様々な種類の時計を身に着けていったが、彼の人生を大きく変えたのは、アンティークのダイバーズウオッチとの出会いだった。その時計は半世紀以上前に設計された製品でありながら、現在でも、実用性のある腕時計として時を刻んでいることに感銘を受けたのだ。
このアンティークのダイバーズウオッチとの出会いから、実用性、堅牢性、そして無駄のない機能美を備えた、自身のダイバーズウオッチをデザインしたいという想いが芽生え、エドワードはフルークスを創設。往年のスキンダイバー仕様の潜水時計からインスピレーションを得ながら、現代に根ざしたスペックを備えた腕時計を、手の届く500ドル前後の価格帯で製作している。
Fleux Watches(フルークス ウォッチ)
FLX002
FLX002は、2023年にグッドデザイン・アワードを受賞した“フルークス”のフラッグシップコレクションだ。ケースは1970年代のスキンダイバーケースを現代的に解釈したデザインで、ラグをわずかに細くし、手首に沿うよう下方へカーブさせているのが特徴だ。
ケース表面は実用時計らしくサーキュラーブラッシュ仕上げをベースにしつつ、ポリッシュ仕上げの面取りを組み合わせることにより、無骨さと高級感を理想的なバランスを実現している。

文字盤はローマ数字とアラビア数字を組み合わせた“カリフォルニアダイアル”仕様のデザインで、経年変化した夜光塗料を想起させる、オールドラジウムカラーのスーパールミノバを針とインデックスに塗布。ヴィンテージテイストを表現しつつ、視認性もしっかりと確保されている。
ケースはステンレススチール製で、サイズ は直径38mm、厚さ14mm。ヘサライト製のドーム風防、アルミニウムリングをインサートした薄めの双方向回転ベゼルも、時計のデザインにアンティークダイバーズウオッチの雰囲気を加えている。
ネジ込み式リューズとスクリューバックの裏ブタを装備し、プロ仕様の200m防水 を確保。ムーヴメントは セイコー製の自動巻きキャリバー、 NH38Aを搭載。シークウェルと呼ばれる再生海洋プラスチック素材から作られているベルトが付属し、販売価格は499米ドル(約7万7000円)だ。
Fleux Watches(フルークス ウォッチ)
FLX003
次に紹介する FLX003 は、1960年代にオメガが製作した名作“シーマスター300 ビッグトライアングル”をトリビュートしたモデルである。
モチーフとなったモデルは、イギリス国防省(MOD)によって軍用として採用された歴史をもち、12時位置に配された特徴的な“ビッグトライアングル”は、低照度環境でも迅速かつ正確な時刻判読を可能にするために導入された歴史をもつ。

FLX003では、その本質的なデザインを継承しつつ、オリジナルの剣型の針からブロードアロー針への変更など、細部にアレンジを加え、軍用ダイバーズウオッチはもちろん、シーマスター300の系譜にも敬意を払った仕様となっている。
ケースは直径 38mm、厚さ14mmのステンレススチール製。スクリューダウンリューズ、ヘサライト製ドーム風防を装備し、 200m防水 を確保している。
ムーヴメントはセイコー製の自動巻きキャリバー、 NH38Aを搭載。先に紹介したFLX002と同様、オールドラジウムカラーのスーパールミノバを針とインデックスに塗布し、暗所での視認性を高めている。シークウェルと呼ばれる再生海洋プラスチック素材から作られているベルトが付属し、販売価格は499米ドル(約7万7000円)だ。
【画像】型違いで2機種、“フルークス ウォッチ”のダイバーズウオッチを別アングルで見る
》Fleux Watches(フルークス ウォッチ)
公式サイト
https://www.fleuxwatches.com
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
https://www.instagram.com/spherebranding/
【そのほかのニュースもチェック!】
■まるで氷河のような輝き!全身鏡面仕上げが美しすぎる、200m防水機能搭載モデル【“VOSTOK EUROPE(ボストークヨーロッパ)”から】
■カシオ“エディフィス×ホンダ”限定コラボ【発売延期していた注目モデル】Hondaマシン“RA272”をオマージュ、2026年3月発売決定
■【カメラレンズを模した“ドーム型ガラス”】国産時計ブランド“KENTEX(ケンテックス)”×TVアニメ『mono』コラボウオッチ