アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
オメガ
シーマスター デイト
今回取り上げるのは、1970年代に製造されたシーマスター デイトだ。
1948年に誕生し、ミリタリーウオッチの開発で得た防水技術を落とし込んだとされるオメガのシーマスター。その防水性能に由来する実用性の高さから市場で人気を博し、現在に至るまでオメガのアイコンモデルとして継承されている人気シリーズだ。
現在の人気もさることながら、かつてのシーマスターも、防水性能や自動巻き、デイト表示、そして精度の高さから、昭和のビジネスマンから多くの支持を集めていたようだ。その根拠を示すかのように、日本国内のアンティーク市場でも球数が多い印象を受けるシリーズである。
本個体はクロノメーター認定を受けたムーヴメントを搭載した仕様であり、文字盤の12時位置には誇らしげにクロノメーター表記が配されている。
バーインデックスとドーフィン針を組み合わせたオーソドックスなデザインが魅力で、現代のビジネスシーンにおいても違和感なく溶け込んでくれるはずだ。
流線形のステンレススチール製ケースには傷取りの研磨が施されており、小キズや打痕はあまり見られない。一方で、リューズまわりにサビや腐食が見られるため、コンディションを重視する人は要チェックだ。

【写真の時計】オメガ シーマスター デイト。Ref.168.024。SS(35mm径)。自動巻き(Cal.564)。1970年代製。23万1000円。取り扱い店/モンテーヌサカエチカ
【画像:サンレイ仕上げ文字盤や裏ブタのシーホースの刻印の状態を見る(全6枚)】
非常にシンプルな要素のみで構成されているため、傍から見ればごく普通の腕時計だが、愛好家がひと目見れば、文字盤のΩ(オメガ)やシーマスターのロゴ、ラグの長い防水ケースなど、シリーズ全体を通して継承されるアイコニックな意匠によって、一目でシーマスターと判別できる点も魅力と言える。特に、今回の個体のようにライスビーズブレスレットが装着されていれば、なおさら判別しやすいだろう。
筆者自身もアンティークを中心に時計を愛する人間であるため、電車のつり革を握る腕元の時計を観察する“変人”に徹することがあるのだが、その中でもシーマスターの分かりやすさは群を抜いていると感じる。分かりやすさで言えばもちろんロレックスなのだが、アンティークのシーマスターのように、あえて周囲には分かりづらい時計を着用するというマニア気質や腕時計への愛情が見え隠れする点が、着用者の性格を表現しているかのようで面白い。
話は逸れたが、シリーズ全体を通して一目でモデルが判別できるというアイコニックさを備えている点は、圧倒的な販売数と知名度を誇るオメガならではの魅力と言えるだろう。
ムーヴメントには、同年代のオメガを代表するクロノメーター仕様のCal.564を搭載。毎時1万9800振動のロービートながら、安定した精度を実現している。
アンティークのオメガ全般に言えることだが、歯車などを収める地板の素材が非常にしっかりとしているため、故障しにくいと評価されている。適切な整備を行えば、現在でも十分な性能を発揮してくれるはずだ。安定感のある性能と高い耐久性を備えたこのムーヴメントは、アンティーク初心者から玄人まで幅広い層におすすめできる。
また、本個体はカレンダーのクイックチェンジ機構を備えており、リューズを2段目の位置まで引き出すことで、1日ずつ日付を変更することができる。ただし、針がカレンダーの切り替わる午後8時から午前4時の間を指している状態で操作を行うと、内部機構を破損させる恐れがある。そのため、必ず針を回して時間帯を確認したうえで、カレンダー調整を行うことを推奨する。
有名ブランドのアイコン的存在のモデルでありながら、それを強く主張しない控えめさが魅力の1本だ。
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文◎LowBEAT編集部/画像◎モンテーヌサカエチカ
