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【実用性抜群の知られざる名機】1960年代製のユリス・ナルダンの実力派クロノメーター

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


ユリス・ナルダン
クロノメーター

今回取り上げるのは、1960年代に製造されたユリス・ナルダンのクロノメーターだ。

19世紀、ユリス・ナルダンは船の現在地(経度)を知るために不可欠であった高精度の時計、“マリンクロノメーター”の製造において名を馳せる名門であった。現在もブランドロゴとして使われている錨(いかり)のマークは、航海技術を支えた同社の歴史と誇りを示しているのだ。

懐中時計の製造においても同社は高い技術力を有しており、戦前の精工舎においては同社の設計をベースに、同時代のロンジンなどの影響も見られる“セイコーシャ ナルダン型”といった時計も製造されるほどであった。

そして今回紹介する個体は自社で製造したムーヴメントではなく、エボーシュメーカーであるETAの汎用ムーヴメントをベースに高精度の調整を施し、クロノメーターの公認を取得したモデルである。

36mm径のコンパクトなケースに、ホワイトの文字盤や拡大レンズ付きのデイト表示を合わせた非常にシンプルなデザインで、現在でも古さを感じさせないタイムレスな魅力を備えている。当時の実用時計らしく視認性を重視した、癖のないシンプルな形状のステンレススチール製ケースは、気密性の高いねじ込み式の裏ブタを採用しており、実用性を重視した設計であったことがうかがえる。現在ではサビや腐食によるケース自体の劣化も考慮されるため、高い防水性は期待できない点には注意したい。

【写真の時計】ユリス・ナルダン クロノメーター。Ref.10929 3。SS(36mm径)。自動巻き(Cal.N11KJ)。1960年代製。36万8000円。取り扱い店/WatchTender銀座

【画像:純正のブレスレットやムーヴメントの状態を確認する(全6枚)

先に述べた通り、ムーヴメントにはETA 2622をベースとした自動巻きのCal.N11KJを搭載。毎時2万1600振動のロービート機でありながら、クロノメーター規格をパスする調整が施されていた点には注目したい。現在では、当時と同等の高精度を維持するのは難しいかもしれないが、適切な整備によって当時に近い精度を再現できる場合もある。

また、本ムーヴメントは量産されていた汎用品がベースであるため、互換性のある部品が見つかりやすいという点も、長く愛用するうえでは魅力的な点とも言えるだろう。

幅広い価格帯の時計において採用される汎用機であるため、あまり注目されることのないETAムーヴメントだが、アンティーク市場においても維持管理のしやすさや、優れた設計による安定した性能に定評があり、初めてアンティークウオッチを手にする人にとっても扱いやすい性能を備えている。

デイリーユースでも使いやすい外装デザインやムーヴメント性能を備えた、トータルバランスに優れたユリス・ナルダンの自動巻きモデル。初めのアンティークウオッチや人とは被らないアンティークを探している人はぜひチェックしてみてほしい。

 

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文◎LowBEAT編集部/画像◎WatchTender銀座

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