アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
アンジェラス
クロノデイト トリプルカレンダー クロノグラフ
今回取り上げるのは、1940年代に製造されたアンジェラス クロノデイトだ。
モデル名が示す通り、クロノグラフ機能に加えてトリプルカレンダーを備えている点が特徴的で、文字盤外周のポインターデイト表示や、12時位置と6時位置の月と曜日の表示も非常に個性的だ。また、これらのカレンダー機構すべてに調整機能を備えている点も、当時としては先進的な設計であった。この調整はケース各所に設けられたボタンで操作が可能で、多くのモデルでは12時位置のボタンが月、6時位置が曜日、9時位置が日付という配置になっている。
文字盤は、すっきりとしたフォントのアラビアインデックスがプリントされ、外周にはタキメーターやデイト表示が印刷されている。情報量が多く、視認性に劣るとも思われる組み合わせだが、各表示のフォントサイズや太さ、配置によって情報がしっかりと区分されているため、凝縮感はありつつも視認性は非常に優れている。また、同モデルのなかでも、希少なタキメーターを備えた仕様である点にも注目したい。
ポインターデイト表示の針を除き、すべての針がブルースチール仕上げとなっており、視認性を向上させるとともに高級感を演出している。

【写真の時計】アンジェラス クロノデイト トリプルカレンダー。SS(38mm径)。手巻き(Cal.217)。1940年代製。88万円。取り扱い店/プライベートアイズ
【画像:凝縮感のある文字盤やクロノグラフムーヴメントの状態を見る(全6枚)】
ムーヴメントには自社製クロノグラフのCal.217を搭載。一般的なクロノグラフで見られる30分積算計ではなく、45分積算計を採用している点が最大の特徴だ。受け板にはやや酸化が見られるものの、コート・ド・ジュネーブ仕上げや、クロノグラフ機構のレバーやバネ類などに施された面取り加工から、本作の手間のかかり具合を感じ取ることができるだろう。さらに、ヒゲゼンマイにはコストのかかる巻き上げヒゲを採用している点にも注目したい。
クロノグラフ機構に加え、トリプルカレンダー機能も搭載しているため、当時としては大型の38mm径ケースが採用されている。アンティーク愛好家にとってはやや大振りなサイズだが、現代的な感覚でも使用できる程よい大きさとも言えるだろう。
注意点として、繊細なテンプの軸部分に耐震装置を備えていないため、破損を防ぐためにも落下や衝突などの強い衝撃には注意が必要だ。また、ケース各所にパッキンを備えない非防水構造であるため、高温多湿の環境や水気、発汗を伴う使用状況は避けることを推奨する。
当時の時計には鉄や鋼のパーツも多く用いられているため、各所のサビやそれに伴う固着を防ぐ観点からも、使用方法や保管方法には十分に配慮したい。
繊細で扱いに注意を要する40年代の手巻きクロノグラフ。維持や保管に手間はかかるが、当時だからこそ実現できた機構の数々を備えた機構の数々にぜひ注目してみてほしい。
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文◎LowBEAT編集部/画像◎プライベートアイズ
