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【知る人ぞ知るオールドインターの傑作】角形ムーヴメントを搭載したIWCの名作レクタンギュラーウオッチ

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


IWC
ワイドステップ レクタンギュラー

今回取り上げるのは、1930年代から40年代頃に製造されたと思われる、IWCの手巻きドレスウオッチだ。

シンプルかつ小ぶりなケースが多く見られるIWCの腕時計だが、そのなかでは珍しい、“バナナ”と呼ばれる重厚感のあるワイドステップレクタンギュラーケースを採用している。

本個体は、23×43mmという縦長の美しいプロポーションを誇るレクタンギュラーケースを採用。サイドに緩やかな弧を描き、腕元に沿うよう設計されたケースは、小ぶりながらもクラシカルな気品を放っている。裏蓋の内側には“ACIER STAYBRITE”の刻印があり、大戦前後の高級時計に採用されたステイブライト鋼(ステンレススチール製の一種)ならではの、深く滑らかな光沢を今なお維持している。

【写真の時計】IWC ワイドステップ レクタンギュラー。SS(23×43mm)。手巻き(Cal.87)。1930年代製。148万5000円。取り扱い店/プライベートアイズ

【画像:エイジングした文字盤の細部やケース内部のムーヴメントを見る(全6枚)

経年変化によりアンティーク特有の風合いを醸し出す文字盤には、二重のスクエアレールとアラビア数字を組み合わせた、セクターダイアルを思わせるデザインが採用されている。中央には“IWC SCHAFFHAUSEN”の文字が収まり、6時位置に配された長方形のスモールセコンドが、縦長ケースの幾何学的な美しさをより一層引き立てている。

ムーヴメントには、この時代に同社が開発した手巻きムーヴメント、Cal.87を搭載。丸型ムーヴメントを流用するのではなく、角型ケースのスペースを有効活用するために設計されたトノー型ムーヴメントであり、当時のマニュファクチュールとしての技術力の高さがうかがえる。

こうした角型ムーヴメントは小径の丸型ムーヴメントと比較して、ケース内部の空間を効率よく使えるため、より大きなテンプや香箱を搭載しやすいという利点がある。この設計思想からも、ドレスウオッチであっても性能面を妥協しなかったIWCらしい姿勢が感じられる。

また、美しいコート・ド・ジュネーブ仕上げが施されたブリッジや、丁寧に仕上げられた輪列パーツなど、細部にまで及ぶ高品質な仕上げにも注目したい。適切なメンテナンスを行えば、現代においても十分な実用性を備えている点も魅力である。

デザインの変遷と、当時の実直なものづくりの精神が凝縮されたIWCのCal.87搭載モデル。歴史的資料としての価値はもちろん、腕元に知的な印象を添えてくれるアンティークウオッチとして、オールドインターの魅力を深く堪能できる1本だ。

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文◎LowBEAT編集部/画像◎プライベートアイズ

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