LowBEAT magazine 最新入荷情報

【四角いインダイアルのスポーティな自動巻きクロノグラフ!】セイコーが1970年代に製造した名作クロノグラフ、“スピードタイマー”とは

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


セイコー
スピードタイマー

今回取り上げるのは、1976年頃に諏訪精工舎で製造されたセイコーのスピードタイマー Ref.6138-0030だ。
アルマイト加工が施されたタキメーターベゼルや樽型の重厚なステンレスケース、四角形のインダイアルなど、70年代のレースシーンを意識した意匠が特徴的である。

元々は5スポーツ スピードタイマーとしてラインナップされており、過去のカタログを参照する限りでは、74年頃から存在していたデザインのモデルだ。その後、セイコー内でのブランド再編の影響か、77年頃からは5スポーツの名を冠さないスピードタイマーとして、今回取り上げたような個体が登場したようだ。デザインはもちろん、リファレンスナンバーも同一であるため、時計としての基本的な仕様に大きな違いはない。

ねじ込み式の裏ブタや厚みのあるラグまわり、セイコー独自の強化ガラスであるハードレックス風防の採用など、当時の若者によるハードユースを想定した、高い防水性と耐久性を備える堅牢な設計が魅力だ。ただし、現存個体は経年によるパッキン類の劣化が考えられるため、水気や湿気を避けて使用することを推奨したい。特に、プッシャーまわりはパッキンの硬化やゴミや埃によって固まり、操作不良を起こしやすくなってしまうため、定期的なメンテナンスを行うようにしたい。

【写真の時計】セイコー スピードタイマー。Ref.6138-003。SS(43mm径)。自動巻き(Cal.6138B)。1976年製。24万8000円。取り扱い店/ジャックロード

【画像:ケースや純正ブレスレットのバックルの状態を見る(全5枚)

ムーヴメントには、69年にセイコーが発表した世界初の実用自動巻きクロノグラフ機構のひとつ、Cal.6139の派生機であるCal.6138を搭載している。本ムーヴメントは、中3針の自動巻きムーヴメントであるCal.61系をベースに、クロノグラフ作動用のレバー類やコラムホイールを追加。さらに、ムーヴメント中心部に位置し、通常時は秒針の役割を担う4番車へ垂直クラッチを組み合わせることで、クロノグラフ機能を実現していた。加えて、多くの部品をプレス加工によって製造することで、複雑機構でありながら高い生産性を実現していた点も特筆すべきポイントである。

また、従来のCal.6139では搭載されていなかった12時間積算計に加え、手巻き機能も追加されているため、デイリーユースにおける実用性が大きく向上している点にも注目したい。

現代ではありふれた存在となった自動巻きクロノグラフだが、その誕生までには各メーカーによる様々な試行錯誤が重ねられていた。その中でも、垂直クラッチという革新的な技術をいち早く実用化したセイコーの技術力と設計思想には、今なお目を見張るものがある。国産時計の中でも、スポーティな意匠と高い機能性を見事に両立したセイコーのスピードタイマーに、ぜひ注目してみてほしい。

【LowBEAT Marketplaceでほかのセイコーの時計を探す

 

 

文◎LowBEAT編集部/画像◎ジャックロード

次のページへ >

-LowBEAT magazine, 最新入荷情報

PHP Code Snippets Powered By : XYZScripts.com