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そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
ヴァシュロン・コンスタンタン
ラウンド
今回取り上げるのは、1980年代中頃から90年代頃にかけて製造されたヴァシュロン・コンスタンタンの薄型ドレスウオッチ、Ref.33090だ。
イエローゴールドとステンレススチールのコンビカラーが印象的で、約5mm厚の薄型ケースやケース一体型のブレスレット、立体的なピラミッドパターンが特徴的なクル・ド・パリ仕上げの文字盤など、ポストヴィンテージ世代のドレスウオッチを象徴するディテールを各所に備えている。
近年の同社が手掛けるドレスウオッチのような、洗練されたスタイリングと隙のない工作精度の外装ではないが、旧来の技術で工夫しながら構成された不完全なバランス感こそが、ポストヴィンテージ期に誕生した本作の魅力と呼べるのではないだろうか。

【写真の時計】ヴァシュロン・コンスタンタン ラウンドウォッチ。Ref.33090。SS×YG(32mm径)。手巻き(Cal.1003/1)。1980~90年代製。119万8950円。取り扱い店/かめ吉
【画像:クル・ド・パリ仕上げの文字盤やコンビカラーの外装の状態を見る(全6枚)】
その例として、極薄のヘッド部分とやや厚みがあるように見えるブレスレット部分の組み合わせが挙げられる。曲面的に仕上げられたケース側面に対し、ブレスレットの楕円形のコマが平面的に切り立って、面の繋がり感が薄れてしまうため、アンバランスに見えてしまうのだ。特にケースとブレスレットの接合部分は、その質感の違いが顕著に現れており、どこかちぐはぐに感じてしまうかもしれない。だが、その不完全さこそが本作の良さであり、どこか抜けた雰囲気が愛おしさを抱かせるのだ。
もちろん、ブレスレットやケース自体は抜かりない仕上がりで、高級時計にふさわしいクオリティを実現している。
ムーヴメントには、ジャガー・ルクルトとの共同開発に端を発する高級薄型手巻きの名機、Cal.1003/1を搭載。長年にわたり同社のドレスモデルを支えた、古き良き時代の設計を色濃く残すキャリバーだ。近代的な外装に古典的なムーヴメントを搭載するという、マニア垂涎の仕様である点も見逃せないポイントと言える。
近年では金価格の高騰や現行モデルの値上げに伴い、ヴィンテージモデルすらも高騰する動きを見せている。数年前と比較しても値ごろ感は薄まりつつある本作だが、現行品では決して味わえない“絶妙な脱力感”を備えたRef.33090に、ぜひ注目してみてほしい。
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文◎LowBEAT編集部/画像◎かめ吉

