セイコーが驚きの3位! 世界最大高級腕時計ECサイトが2021年度の販売ランキングBest 5を発表

 Chrono24(クロノ24)という、世界最大級の高級腕時計のECサイトをご存じだろうか。ドイツ・カールスルーエに本拠を構え、何と年間900万人以上が利用する巨大なマーケットプレイスだ。販売されている高級腕時計は新品だけでなくUSED品からアンティークまでと幅広い。もちろん日本からでも買えるし、日本の並行輸入店も出品している。

 このChrono24については以前9月25日に配信した記事で、上半期の販売ランキングについて取り上げているが、今回新しく同サイト内での取引データに基づいた2021年度に最もリクエストが多かった銘柄ベスト5をこのほど発表した。それについて取り上げたいと思う。

2021年度腕時計ブランド別ランキング

【表1】ブランドランキング(出典:Chrono24)

 ブランドランキングを見ると1位「ロレックス」、2位「オメガ」、3位「セイコー」、4位「ブラトリング」、5位「オーデマ ピゲ」という結果になっている。これを見て真っ先に驚くのはやはり3位のセイコーだろう。みなさんもおそらくそう思われたのではないか。実は前回の上半期のランキングでも4位に入っていて驚かされたが、今回はさらに順位上げた。それだけ海外での評価が高まっているということだ。特にグランドセイコーを独立させたことも功を奏したようで、巨大マーケットであるアメリカでの人気が非常に高く。これがこの結果につながったと言えるのかもしれない。

 また、今回セイコーと同じくベスト5に新たに入ったのがブライトリングだ。これについてChrono24のCEOであるティム・シュトラッケ氏は「ブライトリングのCEOとなったジョルジュ・カーンの戦略は非常に良い効果を出したといえるだろう。また、エデュランスプロやスーパーオーシャン、クラシックなモデルであるクロノマットモデルもとても需要があった」と経営体制が刷新された2017年以降に取られた新たな戦略が成功し再注目されたと考察している。

2021年度腕時計モデル別ランキング

【表2】モデルランキング(出典:Chrono24)

 次にモデルで別で見ると、1位「ロレックス・デイトジャスト」、2位「ロレックス・サブマリーナー」、3位「オメガ・シーマスター」、4位「オメガ・スピードマスター」、そして5位に「ロレックス・デイトナ」の5モデルがランクインとなった。

 2020年のトップ5とはまったく異なる結果となっている点がおもしろい。どちらかというと21年の銘柄は認知度の高いモデルばかりが名を連ねる。しかもトップ4については定番人気モデルの王道ともいえるロングセラーだ。コロナ禍が続いていることが影響しているからなのかはわからないが、デイトナを除いてはすべて実用的かつ現実的なモデルが人気だったという見方もできるだろう。

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!