西岡 德馬 -男の肖像時計の選択(パワーウオッチVol.54)

西岡さんの袖口を彩る、ショパールのハッピースポーツ。風防と文字盤の間に封入された複数のダイヤが、腕の動きに合わせて自由に移動するのが特徴。石を埋めこんだタイプの宝石時計とはまたひと味違う、独特のラグジュアリー感を放つ

 

ドラマ、映画、舞台などで活躍する俳優の西岡德馬さんは、一方で芸能界きってのゴルフ通としても知られている。愛用の腕時計は、その証の1つだ。

「2000年から毎年、芸能人を集めた『叙々苑カップ』というゴルフ大会が開かれているんだけど、オレはその第7回大会で優勝したんですよ。そのとき副賞でもらったのが、このショパールの腕時計。

ダイヤの入ったモデルなので、パーティーなどフォーマルな場所に出るとき、よく身に着けていきますよ。それと今日は用意してこなかったんだけど、家にもう1本ショパールを持ってる。文字盤にゴルフボールがあしらってあるモデルで、普段はそちらを使うことのほうが多いかな」

以前はさまざまなブランドの腕時計を保有していたという西岡さんだが、現在はショパールの2本のみ。その理由は、実に意外なものだった。

「一昨年、引っ越したときになくしちゃったんですよ。大切にしていた腕時計を6本ぐらい。えらいショックでね。同じ箱のなかにしまっておいたんだけど、引っ越しのゴタゴタでどこかにいっちゃった。いつなくなったのかも、わからない。ロレックスの1940年代のアンティークモデルなんかもあったのにさ。金無垢の黒文字盤で、高倉健さんにも珍しがられたのが。そのとき杉浦直樹さんも一緒にいたんだけど、2人して『おい、なおちゃん。これ見たことある?』『ないなぁ』なんてね(笑)。ロレックスに詳しいんだよ、高倉さんも杉浦さんも」

そんな思い出のあるロレックスの他、ブシュロンやレビュー・トーメンなどの腕時計も持っていたそうだが、結局、行方はわからずじまい……。今は「縁がなかった」と割り切っているという。

「何だってそうだからね。人間に寿命があるように、物質にも寿命がある。自分から離れていったということは、それが寿命だったということですよ」

これも歳を経て、人生経験を積んできた男の余裕か。

「年齢がいってくると、精神面は自然と豊かになるよね。いろいろと物事がわかってくるから。だけど反対に、肉体面は徐々に衰えていく。そうやって帳尻を合わせているんだと思うよ。ただオレの場合は俳優だから、商品である肉体のほうもしっかりとキープし続けなきゃいけない。その手段として、専門の先生にストレッチをお願いしていますよ。1週間に1度のペースで、かなり強烈なやつを(笑)。腕時計のオーバーホールみたいなものかな。やっぱり時計も身体も、きちんとメンテナンスをし、正確に動ける状態を維持しておかないとね」

ストレッチ効果で「ゴルフの調子も上がった」と笑う西岡さん。ベテラン俳優は、今後も健在だ。

 

西岡 德馬俳優)
TOKUMA NISHIOKA 1944年8月14日、兵庫県神戸市生まれ。65年歌手デビュー。67年、“文五捕物絵図”(NHK)にて主演、脚光を浴びる。その後、76年にリリースした“すきま風”はミリオンセラーとなり、テレビ出演は現在までに1400本以上。代表作に“右門捕物帳”“遠山の金さん”“新五捕物帳”“同心暁蘭之介”“喧嘩屋右近”など。15歳の頃から福祉活動に取り組み、現在は法務省・特別矯正監。日本とベトナム、両国の特別大使。福祉関連での受章歴も多数。

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