SIHH 2019年 新作時計レポート【vol.05】モンブラン

ヴィンテージ感あふれる新作が目白押し

 モンブランの2019年新作モデルは、ヴィンテージ色の強いラインナップが目を引いた。そこで今回は、そんな機械式時計黄金期を彷彿とさせるような新作が充実した展開となった“ヘリテイジ”と“1858”の二つのプロダクトラインに注目したいと思う。

 そのひとつ“ヘリテイジ”ラインは、ストップウオッチや腕時計用クロノグラフの名門として名を馳せた“ミネルバ社”が1940〜50年代に生み出した数多くの傑作にインスパイアされたコレクションというだけあって、両者のなかでも特に際立っていると感じた。

 そのラインナップたるや、数量限定のハイコンプリケーションからエントリープライスのベーシックラインまで、全6型とかなりの充実ぶり。まずは、このヘリテイジラインから筆者が気になった三つのモデルをクローズアップしてみたい。

モンブラン ヘリテイジ パーペチュアルカレンダー リミテッドエディション100

 3年の歳月を費やして開発された自動巻きムーヴメント、Cal.MB29.22を搭載した永久(パーペチュアル)カレンダー機構搭載モデル。大の月(31日)、小の月(30日)の自動判別はもちろん、4年に1回の閏年をも設定することで、2月末も日付調整が不要という優れたカレンダー機構を搭載する。

 しかも、一般的なレバーを使用する永久カレンダー機構とは異なり、ホイールだけで構成されているため、何とリューズを両方向に回して時間調整できるというスグレモノだ。パーペチュアルカレンダーモデルの場合は、複雑にカレンダー機構が絡むため時間調整といえども容易でない。その点からするとかなり使い勝手が向上しており、ユーザーにとって大きな魅力となるだろう。

 加えてもうひとつ注目すべき点がある。それは、カレンダー機構に負荷を与え不具合を起こす可能性が高いとされる午後8時から午後12時までの時間帯は、新開発された安全機能によって時刻調整ができないようになっているという。つまり「ついうっかり」を未然に防いでくれるのである。

 そして実際に着けさせていただいたが、ケースサイズは40mmとほどよいサイズ感だ。しかも現代的なアレンジを加えず19世紀の懐中時計を思わせるような往年の文字盤デザインが採用されているため、落ち着いていて全体の雰囲気もいい感じに仕上がっていた。

 ちなみに、このリミテッドエディションである18金レッドゴールドのほかに、通常のステンレススチールタイプも用意されている。

INFORMATION
型番:(上)Ref.119926、(左)Ref.119925
ケース素材:(上)K18レッドゴールド、(左)ステンレススチール
ベルト素材:アリゲーター
サイズ:ケース径40mm、ケース厚12.3mm
防水性:5気圧防水
ムーヴメント:自動巻き(Cal.MB 29.22/毎時2万8800振動/パワーリザーブ約48時間)
機能:時・分・秒表示、3時位置の月表示と閏年表示付、6時位置の日付け表示とムーンフェイズ表示、 9時位置の曜日表示、第2時間帯表示GMT機能、9時位置の第2時間帯24時間表示
税別予価:(上)290万円(100本限定/2019年9月発売予定)、(左)177万4000円(2019年9月発売予定)

 

 

 

 

 

モンブラン ヘリテイジ パルソグラフ リミテッドエディション100

 モデル名にあるパルソグラフ(パルスメーターとも呼ぶ)とは、脈拍数を測るための計測スケールを指す。文字盤外周の目盛りがそれだ。使い方はいたって簡単、このモデルの場合は、クロノグラフ秒針を作動させ、同時に脈拍数をカウントし、脈拍が30回に達した時点で止める。そのときにクロノ秒針が指し示す数字が実際の脈拍数というわけだ。

 さて、この文字盤のサーモンカラー、いまでこそ珍しいかもしれないが、実は1940年代にはよく使われている色で、目盛り類のブルーカラーとともに、その時代ならではの配色のひとつ。古典的な雰囲気をグッと高め、往年のクロノグラフウオッチを彷彿とさせるデザイン性も目を引く。

 そんなデザインもさることながら、モノプッシャー式のクロノグラフ機構を備えたムーヴメントにも注目したい。搭載する手巻きクロノグラフムーヴメント、Cal. MB M13.21は、1920年代にミネルバ社によって作られ、約40年間も生産された傑作クロノグラフムーヴメント、Cal.13.20を再現したものなのだ。

 そのため、すべてのパーツの造形が当時のように複雑で手の込んだ作りになっていることが上の写真からもわかるだろう。シースルーバックからこの美しいムーヴメントとその鼓動する様子を常に眺められることも、所有者にとっては大きな魅力となるに違いない。

INFORMATION
型番:Ref.119914
ケース素材:ステンレススチール
ベルト素材:アリゲーター
サイズ:ケース径40mm、ケース厚12.65mm
防水性:3気圧防水
ムーヴメント:手巻き(Cal.MB M13.21/毎時1万8000振動/パワーリザーブ約55時間)
機能:時・分表示、モノプッシャークロノグラフ(3時位置に30分積算計)、センターにクロノグラフ秒針、9時位置にスモールセコンド、文字盤外周に脈拍30回で計測するパルソメータースケール
税別予価:337万5000円(世界限定100本/2019年6月発売予定)

 

 

 

 

 

 

モンブラン ヘリテイジ オートマティック

 ヘリテイジラインのなかで最もベーシックなモデル。価格もステンレススチールなら20万円台からとまさにエントリーモデルとして最適だ。ちなみに着用(上の写真)させてもらったのは18金レッドゴールドの高級仕様。シャンパンゴールドの文字盤と相まって1940年代のアンティークウオッチさながらの雰囲気が楽しめる。

 なお、このシンプルな3針のほかに、ベーシックなラインとしてデイト付きとGMTモデルもラインナップしている。

INFORMATION
型番:(上)Ref. 119946、(左)Ref. 119943
ケース素材:(上)K18レッドゴールド、(左)ステンレススチール
ベルト素材:アリゲーター(ミラネーゼブレスタイプもあり)
サイズ:ケース径40mm、ケース厚11.65mm
防水性:5気圧防水
ムーヴメント:自動巻き(上:Cal.MB 24.27/毎時2万8800振動、パワーリザーブ約42時間 左:Cal.24.26/毎時2万8800振動/パワーリザーブ約38時間)
機能:時・分・秒表示
税別予価:(上)94万1000円(2019年9月発売予定)、(左)25万円(2019年6月発売予定)

 

 

 

 

 

 

 一方、ミネルバ社の創業年をコレクション名に据えたのが “1858”ラインだ。新作では、ブロンズ製ケースに新しいカーキグリーンの文字盤と同色のNATOタイプのストラップを組み合わせ、モンブランが今年のテーマに掲げる“自然への回帰”を体現する個性的なリミテッドエディションが3針モデル、クロノグラフ、そして昨年も話題になったワールドタイムの3型が発表された。

 今回着用(上の写真)したモデルは、そのうちの最もベーシックな3針タイプに別途用意されたプレーンなステンレススチールモデル。黒文字盤にちょっと経年変化したような色の極太アラビアインデックス、そしてコブラ針というまさにミリタリーウオッチの王道をゆくデザイン。そしてカーキグリーンのヌバックカーフストラップがレトロ感をさらに強調した仕上がりだ。グリーン×ブロンズはちょっと個性的すぎるという人にはいいだろう。

 それともうひとつ、同じくブロンズケースを使ったスプリットセコンドクロノグラフも同時に発表されている。残念なことに実機を拝見することはできなかったが、2カウンターにスネイルタキメーターなど1940年代を思わせる古典的な文字盤デザインに加えて、1920年代にミネルバ社が製作した手巻きクロノグラフムーヴメント、Cal.16.9を再現した、Cal. MB M16.31を搭載している点にもぜひ注目したい。

モンブラン 1858 オートマティック リミテッドエディション 1858

INFORMATION
型番:(上)Ref.119907、(左)Ref. 118222
ケース素材:(上)ステンレススチール、(左)ブロンズ
ベルト素材:(上)カーキグリーンのヌバックカーフストラップ、(左)カーキグリーンのNATOストラップ
サイズ:ケース径40mm、ケース厚11.07mm
防水性:10気圧防水
ムーヴメント:自動巻き(Cal.MB 24.15/毎時2万8800振動/パワーリザーブ約38時間)
機能:時・分・秒表示
税別予価:(上)26万6000円(2019年5月発売予定)、(左)33万6000円(世界限定1858本、2019年5月発売予定)

 

 

 

 

 

モンブラン 1858 オートマティック クロノグラフ リミテッドエディション 1858

INFORMATION
型番:Ref.119908
ケース素材:ブロンズ
ベルト素材:カーキグリーンのNATOストラップ
サイズ:ケース径42mm、ケース厚14.55mm
防水性:10気圧防水
ムーヴメント:自動巻き(Cal.MB 25.11/毎時2万8800振動/パワーリザーブ約48時間)
機能:時・分表示、クロノグラフ(3時位置に30分積算計)、センターのクロノグラフ秒針、9時位置にスモールセコンド
税別予価:56万5000円(世界限定1858本、2019年5月発売予定)

 

 

 

 

 

 

モンブラン 1858 ジオスフェール リミテッドエディション 1858

INFORMATION
型番:Ref.119909
ケース素材:ブロンズ
ベルト素材:カーキグリーンのNATOストラップ
サイズ:ケース径42mm、ケース厚14.55mm
防水性:10気圧防水
ムーヴメント:自動巻き(Cal.MB 29.25/毎時2万8800振動/パワーリザーブ約42時間)
機能:時・分表示、3時位置に日付表示、9時位置にセカンドタイムゾーン、12時位置と6時位置に回転する北半球と南半球、24時間表示、デイ&ナイト表示
税別予価:71万円(世界限定1858本、2019年4月発売予定)

 

 

 

 

 

 

モンブラン 1858 スプリットセコンド クロノグラフ リミテッドエディション 100

INFORMATION
型番:Ref.119910
ケース素材:ブロンズ
ベルト素材:アリゲーター
サイズ:ケース径44mm、ケース厚14.55mm
防水性:3気圧防水
ムーヴメント:手巻き(Cal.MB M16.31/毎時1万8000振動/パワーリザーブ約50時間)
機能:時・分表示、スプリットセコンドクロノグラフ(3時位置に30分積算計)、センター同軸上にクロノグラフ針とスプリットセコンド針の2本の計測針、9時位置にスモールセコンド
税別予価:378万5000円(世界限定100本、2019年5月発売予定)

 

 

 

 

 

 

(取材・文◎菊地吉正/現地撮影◎神戸シュン)

お問い合わせ:モンブラン コンタクトセンター TEL.0120-39-4810   www.montblanc.com

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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