【実機レビュー】10万円台で買える話題の70年代レトロダイバー、これからの季節のコーデにけっこう似合う!

貧弱な手首の筆者が着けると大きく見えてしまうが、ケース径40mmで厚さは13mmと機械式のダイバーズウオッチにしてはそれほど大きくない。普通の体型の人ならまったく問題ない大きさだ

ジャケパンスタイルのアイコンとしても、ほどよくなじんでいい感じだ!

 ここ4〜5年の腕時計のトレンドのひとつとして挙げられるのが過去のアーカイブからリバイバルさせる“復刻”である。そしてそのなかでも近年特に顕著なのがアンティークウオッチと言われる1960年代以前のクラシカルなものではなく、60年代後半から70年代にかけてのどちらかというと主張の強いデザインの復刻だろう。

 しかも、そのほとんどがクロノグラフやダイバーズウオッチといったスポーツモデルというのも特徴的な最近の傾向と言える。4月4日に筆者が書いたレビュー記事、グラスヒュッテ・オリジナルの“SeaQ(シーキュー)”は2019年にリリースされた、そんな代表的なモデルのひとつとして注目された。

 そして今回はもうひとつ、Sea Qと同じくダイバーズウオッチで、50年代から70年代にかけて販売された、ゾディアック シーウルフがベースの“スーパーシーウルフ53”についてのレビューをお届けしたいと思う。

今回取り上げたスーパーシーウルフ53の派生モデルである“スーパーシーウルフ53コンプレッション”。コンビタイプは徹底して70年代の雰囲気だが、右のオールブラック仕様はデザインこそ70年代だが雰囲気は現代的に仕上がっている

 まず、ゾディアックというブランドについて簡単に触れておくと、1882年にスイス、ル・ロックルに創業。当初は懐中時計を製作していたが、1920年代に入り腕時計の製作をスタートさせ、49年にパワーリザーブインジケーターを備えたオートグラフィック、53年には、当時としては画期的な20気圧防水を備えたシーウルフを発表するなど、実用時計を製造する歴史あるブランドである。そして、現在はフォッシル・グループが本格時計ブランドとして展開、2014年から過去の名作をベースにしたヘリテージコレクションを拡充させ人気を呼んでいる。

 そして現在、ソディアックの旗艦コレクションとなるのが53 年に開発されたダイバーズウオッチ、シーウルフの復刻版 “スーパーシーウルフ53”なのである。

立体化された角形のインデックスに存在感のある太めの時分針という組み合わせはまさに70年代特有のデザイン。このモデルはベゼルの上にK1強化ガラスが使われているためダイバーズウオッチの無骨さが若干和らいだ印象だ

 今回取り上げたのは、そのなかでも60年代後半から展開されたモデルのデザインを再現した“スーパーシーウルフ53コンプレッション”だ。立体化された大きめの角形インデックスに、これまた太く存在感のある時分針など、まさに70年前後のデザイン的特徴がしっかりと再現されている。

 搭載する機械は、グループ内企業であるSTP社(スイステクノロジープロダクション)で作られたインハウスの自動巻きムーヴメント、Cal.STP3-13。日差プラスマイナス20秒に44時間パワーリザーブと、10万円台という価格を考えれば精度と実用面からしてもなんら問題ないレベルと言えるだろう。

実際に着けてみました!

このときはグレーのジャージージャケットに白パンツ、そしてニットというカジュアルめのスタイルだったが、ほどよくアクセントになっていい感じだ。インナーにストライプのYシャツ系でもジャケパンスタイルなら違和感はないと思う(写真は編集部の松本に撮ってもらった)

 今回、コンビタイプとオールブラックの2種類があったのだが、バブル時代を経験した筆者的には、70年代らしさと言えば「やっぱりコンビでしょ」ということで、レビュー用にはコンビタイプをチョイス、実際に着けてみたのが上の写真である。

 おそらくみなさんは、5連ブレスに中央の中ゴマがゴールドになっているため、ひと昔前のデザインという感じもあって、時計だけみるとコーディネイトしにくい印象を受ける人が多いかもしれない。しかし、実際に着けてみるとご覧のとおり、40mmケースという大きすぎないサイズ感に加えて、文字盤とベゼルのブラックカラーが全体をほどよく引き締めてくれるからなのだろう。雰囲気は予想したとおり悪くない。

 ただし、そもそもの作りがダイバーズウオッチのためスーツスタイルには不向きだと思う。やはり今回の筆者のように、上下の色味や素材感が違うジャケパンスタイルであれば、時計のゴールド使いも見た目に若干緩和されるため、それほど違和感なく合わせられる。厚手のアウターから解放されるこれからの季節、週末ファッションのちょっとしたアイコンとして楽しんでみてはいかがだろう。

(右)スーパーシーウルフ53 コンプレッション。Ref.ZO9271 (左)スーパーシーウルフ53 コンセッション ブラックアウト。Ref.ZO9276。ともにSS(40mm径、ケース厚13mm)。20気圧防水。自動巻き(Cal. Cal.STP3-13、毎時2万8800振動、44時間パワーリザーブ)。替えベルト付属(工具付き)

 なお、今回紹介した“スーパーシーウルフ53コンプレッション”のコンビとオールブラックの2種類の仕様については、実は日本での販売は行われていない。ただし今回特別に、時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers(ウオッチメーカーズ)」において、各10本の計20本だけの販売が開始された。しかも希望小売価格19万8000円(税込み)のところ提供価格は18万円と10%OFFなのも見逃せない。

 製品の詳細など知りたい人は、「WATCH Makers(ウオッチメーカーズ)」をチェックしてみてほしい。

業界初の時計専門クラウドファンディングサイト

「WATCH Makers(ウオッチメーカーズ)」

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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