【アメリカ時計に復活の予感あり!!】ケースからネジまで自社製造、デトロイトの新鋭“ペルトン・ウォッチ”に注目

》工業都市デトロイトの歴史を受け継ぐ、日本未上陸のアメリカンウオッチ

 アメリカ・ミシガン州東部にあるデトロイト。1701年にフランス人のアントワーヌ・ド・ラ・モト・カディヤックが地形から“Fort Détroit(海峡砦)” と名付けたのがデトロイトの由来とされ、全盛期とされる1950年代前半から60年代後半にかけては185万人の人口を誇り、GM、フォード、クライスラーといった、アメリカの自動車メーカー、ビッグ3が工場を構える工業都市として発展したことで知られている。

 音楽好きであれば、1959年にベリー・ゴーディにり設立され、スティービー・ワンダー、マーヴィン・ゲイ、テンプテーションズ、シュプレームスなどのアーティストを輩出したレコードレーベル・モータウン(デトロイトのニックネームである“モータータウン”の略称)発祥の地という印象も強いかもしれない。

 工業だけでなくカルチャー面でも一時代を築いたデトロイトだが、時は流れて2000年代になると自動車市場の停滞から人口も50年前の半分以上にまで落ち込み、治安が悪化。13年にはデトロイト市は膨大な借金を抱え、破産することとなる。

 かつての輝きを完全に失ったデトロイトだが、近年になって民間投資が増えはじめ、デトロイト周辺の開発プロジェクトも増加。シャイノラが創設されるなど、時計産業に関しても新しい動きが見え始めている。


 今回、紹介する“Pelton Watches(ペルトン・ウオッチ)”も、そんなデトロイトを拠点とするアメリカの時計ブランド。残念ながら、日本未上陸のブランドだが、工業都市デトロイトらしい、魅力的な時計を製造している。

 ペルトン・ウオッチは、機械工、デザイナー、そして実業家でもあるデニー・メサノヴィッチによって2016年に設立された新興ブランド。ブランドを立ち上げる前、メサノヴィッチはオーディア業界向けリボンマイクを製作していた経歴があり、そうした機械工としての専門知識と細部へのこだわりを活かし、時計ブランドの創設という情熱を追求していったようだ。


 創設から5年を経た現在は、ペルセウス、セクターという二つの時計コレクションのほか、サングラス、革小物を展開しているペルトン。同社のユニークな点が、時計のケースとブレスレットを社内で製造しているという点だ。

 原材料の金属ブロックをCNC機械で切削するところから始まり、成形、研磨、組み立てまでの作業を自社工場で実施しており、公式サイトではケースとブレスレット製造、ベゼルのネジ研磨、時計を組立などの様子を動画で楽しむこともできる。

 ペルトンの時計製造のアプローチ、技術力を見ると、近い将来、デトロイトを拠点としてさらなる新興の時計ブランドが登場してくる予感を感じとることができる。デトロイトがかつての繁栄を取り戻したと断言するのは時期尚早であるが 、これまで直面してきた逆境をはねのけて、時計産業が拡大していくことを期待したい。


Pelton Watches(ペルトン・ウオッチ)
ペルセウス

■Ref. 4210BL/GR/BR/SL。SS(39mm 径)。100m防水。自動巻(ETA 2824-2)。2999 USD (約32万1500円)


 ペルトン・ウオッチの自社工場で製造されたケース、リューズ、ブレスレットを採用するロイヤルオークのトリビュートモデル。公式サイトによれば、ペルトン・ウオッチは現在アメリカで唯一、メタルウォッチブレスレットを自社製造する時計ブランドであり、131ピースのパーツで構成されたブレスレットには、ハンドメイドで研磨を実施。丁寧なヘアライン仕上げを見ると、同社の金属加工技術の高さが実感できる。


Pelton Watches(ペルトン・ウオッチ)
セクター

■Ref. 1991SL/RU。SS(40mm径)。100m防水。自動巻き(ETA 2824-2)。1499 USD (約16万1000円)


 1930年代にオメガ、ロンジンなどが製造していたセクター文字盤からインスピレーションを得たフラッグシップコレクション。 ビーズブラスト仕上げとサーキュラーブラッシュ仕上げという、対照的な二つの仕上げを組み合わせた文字盤が、アンティークを思わせる雰囲気を醸し出す。ベゼルはポリッシュ、ケースには場所に応じて微妙に質感を変えたブラッシュ仕上げが施されており、無骨な作りのなかに、繊細さと丁寧な作り込みを感じさせる点が魅力的だ。アンティークオメガのセクターダイヤルウォッチを彷彿とさせる、オクタゴンリューズにもこだわりが光る。


》Pelton Watches(ペルトン・ウオッチ公式サイト)
https://www.peltonusa.com


文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。

https://www.instagram.com/spherebranding/

オススメ記事

  1. タレントのビートたけし氏が所有することでも話題!ブガッティとジェイコブ…

  2. 【注目の時計を実機レビュー】ドイツから日本へ本格上陸|“DETOMAS…

  3. 【WLN女子部発】華奢なサイズながら豪華なデザインが魅力のHARRY …

  4. “桜”をイメージした、BERING(ベーリング)の数量限定モデル

  5. 盛岡セイコー工業の伊藤 勉氏が平成30年度の現代の名工(卓越した技能者…

  6. 新・仮面ライダーセイバーの主人公、神山飛羽真(かみやまとうま)が“ファ…

  7. ゼロからわかる、大人のデジタル時計選び【第1回-意外に知らないデジタル…

  8. KARL-LEIMON(カル・レイモン)から、ついに待望の新作! ファ…

人気の記事

ロレックス

国産時計

スマートウォッチ

ドイツ時計

カジュアル時計

アンティーク時計

レディース時計