【中国とフランスの美意識が融合】ポーセリン(陶器製)ダイアルが目を引く、“アトリエ・ウェン”に注目

》陶器製の文字盤が美しい、日本未上陸の独立ブランド

 “Atelier Wen(アトリエ・ウェン)”は、フランス出身の親友2人が中国で創設した、日本未上陸のマイクロウオッチブランド。ブランド名はフランス語で工房を意味する“atelier”と、中国語で文化を意味する“wénhuà”に由来している。

 アトリエ・ウェンの時計は、“モダンチャイニーズスタイル”を独自のアプローチで再定義しているのが特徴となっており、陶磁器など、中国の伝統的な工芸品に見られるような美しさと、文化的な意味を取り入れた意匠が目を引きつける。目の肥えた時計好きからも注目を集めており、現在は全コレクションが完売するほど熱狂的な人気を獲得している。

 創業者である、ロビン・タレンディエとウィルフリート・ブイロンは2016年に北京で出会った。彼らには、中国への情熱、時計への愛情、そして新しい事業を始めたい起業家精神という三つの共通点があったようだ。

 14歳の頃から時計に情熱を注いできたタレンディエは、上海時計協会とオークションハウスで有名なクリスティーズで働いていた経歴をもち、2016年3月には中国の時計産業を監督、促進す流役割をもつ中国時計学会から“Execution Expert”の任命を受けいる。

 一方のブイロンは中国のトップ大学である北京大学と清華大学を卒業しており、アトリエ・ウェンではデザインと製造の両カテゴリーをコーディネートしている。

 多彩な経歴と豊富な経験を持つ創業者2名に加えて、北京服装学院出身の2人の中国人デザイナー、Li Mingliang と Liu Yuguanが時計の製造に携わっており、東洋と西洋がバランスよく融合し、かつ、中国の伝統的なデザインを現代にアレンジをした独自のコレクションを生み出しているのだ。

 2018年にデビューしたのファーストコレクションは、中国の伝統・文化・工芸の要素を包含した高品質の機械式時計である。 このコレクションは2つのモデルで構成され、それぞれに特徴的なデザインに加えて、伝統工芸からインスパイアされた“ポーセリン(陶磁器)”の文字盤を採用していることが大きな特徴となっている。

 陶器製の文字盤は、時計好きの間では熱烈な人気を備えた高級素材だ。ほかにはない独特の光沢と美しい艶を備えているのが特徴なのだが、デリケートな素材のため製造には手間がかかる。アトリエ・ウェンでも、商品として使用できる品質を備えた文字盤を枚1枚作るために、5枚から6枚の文字盤を焼き上げているようだ。


 ムーヴメントは、遼寧省に設立された中国最大のムーブメントメーカー、ピーコックのカスタムメイドキャリバー、SL-3006を搭載。精度は日差+/-10秒で、最大41時間パワーリザーブと、実用性もなかなか高い。


 また、現在ラインナップされているコレクションでは裏ブタに、荘子の“逍遥遊”に出てくる想像上の動物、鯤鵬(こんほう)が描かれているのも特徴的なポイント。陰陽の概念として使われており、“鯤(こん)”は大魚で、“鵬(ほう)”は大鳥という意味をもっている。東洋と西洋の文化、美意識を融合するという、アトリエ・ウェンの想いが詰まったデザインと言えるだろう。

 いずれも魅力的なモデルがラインナップされている“アトリエ・ウェン”だが、残念ながら現在のコレクションを既に全モデル完売している。現在、新作を鋭意製作中とのことなので、気になった人は、公式サイトをチェックしてみてはいかがだろうか。


Atelier Wen(アトリエ・ウェン)
ポーセリンオデッセイ-ジ(霁)
 ポーセリン・オデッセイ・コレクションのデビューモデル“ジ(霁)”は、美しい青磁の文字盤を採用したモデル。この文字盤は、何世紀も前にラピスラズリから作られていたという青の色合いをモチーフにしている。最高級の陶磁器に採用された色合いであり、青の中でも最も美しい色とされ“嵐の後の空”とも呼ばれている。

 1940年代から50年代のフランス製時計を彷彿とさせる文字盤だが、ディテールには中国の伝統的な意匠が取りれられている。文字盤を縁取る模様は、中国の“回文(かいぶん)”と呼ばれるパターンだ。また、スモールセコンドはKun(坤)、Li(离)、Qian(乾)、Kan(坎)という四つの文字と、中国の八卦の概念で構成され、それぞれの時間において天空での太陽の位置に対応する4つの方向を表している。

■SS(39mm径/11.7mm厚)。5気圧防水。自動巻き(ピーコックSL-3006)。5450香港ドル(約7万8700円)


Atelier Wen(アトリエ・ウェン)
ポーセリンオデッセイ-ハオ(皓)
 “ハオ(皓)”は、ジャスミンのような白磁の文字盤に、有名な青花瓷(せいかじ)に敬意を表したブルーのエレメントを配しているモデル。 スモールセコンドには非対称の中国のパターンを採用。左上の“You(酉)”と右下の“Mao(卯)”は、それぞれ午後5時から午後7時、午前5時から午前7時を表している。

 これは古代の時間測定法である“十二支”にちなんだもので、それぞれの支は2時間を表している。基本的なスペックは“ジ(霁)”と変わらないが、生産数は色によって20個から250個と異なり、いずれも完売となっている。

■SS(39mm径/11.7mm厚)。5気圧防水。自動巻き(ピーコックSL-3006)。5450香港ドル(約7万8700円)


ハオグリーンエディション
■SS(39mm径/11.7mm厚)。5気圧防水。自動巻き(ピーコックSL-3006)。6100香港ドル(約8万8000円)


ハオレッドエディション
■SS(39mm径/11.7mm厚)。5気圧防水。自動巻き(ピーコックSL-3006)。6100香港ドル(約8万8000円)


ハオパープルエディション
■SS(39mm径/11.7mm厚)。5気圧防水。自動巻き(ピーコックSL-3006)。6500香港ドルル(約9万3800円)


》Atelier Wen(アトリエ・ウェン)公式サイト
https://atelierwen.com


文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。

https://www.instagram.com/spherebranding/

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