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【古代アイルランドの古墳がモチーフ!?】Sidereus(シデレウス)、アイルランドの歴史を時計で表現する新鋭ブランド

 Sidereus(シデレウス)は複数の共同設立者とともにブライアン・リーチが自社でデザインと開発を行い、アイルランドで設立された日本未上陸の独立系ウオッチブランド。 リーチはアイルランドの先住民企業と多国籍企業で40年近くプロダクトデザインに携わってきた人物であり、その経験を活かしてシデレウス・ウォッチのデザインを手掛けている。

 ブランド名の“シデレウス”とは、ラテン語で“星”を意味する“Sidus”に由来しており、恒星年(恒星に対し地球が太陽の周りを1周する時間)をコンセプトとして採用している。

 シデレウスのファーストコレクションは、2015年に開催されたデザインの回顧展“Timelines”のために1回限りの展示品として製作されたが、その反響の大きさや、友人からの提言を受けて、時計ブランドとして本格的にスタートすることになったようだ。


 同社の時計は、アイルランドの首都・ダブリンから北へ約50キロにある、新石器時代の古墳“ニューグレンジ”がデザインの大きなインスピレーションとなっているのが特徴だ。

 古代アイルランドでは、1年を明るい半分と暗い半分に分け、国中に点在するモニュメントやランドマークを使い、太陽の動きによって1年をプロットしていた。


 ニューグレンジの中で最も有名なのは第一埋葬室で、冬至の時期にに昇る太陽が完全に一直線に並び、太陽光が墓室の奥に射し込む設計になっている。通常は1年中暗闇の中にある部屋が、冬至の時期に約17分だけ照らされる。この現象は、先人たちの知恵と技の結晶であり、現代の時計製造の礎を築いた証でもあるのだ。



 ケースは前段のニューグレンジの古墳からインスピレーションを得たフォルムとなっており、ベゼル一体型のケース、曲線のラグを備えた一体型ケースバックと、2つのパーツだけで構成されている。


 ねじ込み式リューズは円筒形のフォルムで、下向きにテーパー状の溝が軸方向に配列されており、このリューズの溝により腕時計の着用時に巻き上げや時間調整を容易に行うことができる。


 針はオリジナルデザインで時針と分針はテーパーのかかったセミスケルトンのバトンタイプで、オレンジ色の秒針は冬至の光が古墳の内室への通路を進む様子を表現したものになっている。


 内部に搭載する機械については、セリタと共同で開発したカスタマイズムーヴメントを採用。 この改良型自動巻きムーブメントには、特注のグラフィック要素を備えたローター、機械加工されたシデレウス星のロゴ、エッチングされたシデレウスのレタリングなど、特別感を加えるアレンジが施されている。

 シデレウスは4つのモデルで構成されており、各モデルごと3色のダイヤルから選択可能。それぞれが、わずか50本の限定生産となっている。 今回はシデレウスコレクションから、代表的な2モデルを紹介する。

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