○回転ベゼル
アウトライアーの回転ベゼルは正面から見るとわかりませんが、サイドにローレット加工が施されています。これには、袖口を傷つけないか不安になりましたが、ローレットの凸部は面取りが施されており、指で触った感触も引っ掛かりが気にならず、袖を傷めることはありませんでした。
回転ベゼルは24クリックです。ベゼルを操作した際のグラつきがないのも品質の高さを表しています。
〇使いやすいムーヴメント
本モデルのムーヴメントは、リューズの１段引きで時針を12ステップで単独調整でき、時針が午後12時を超えることにより日付けが1日進みます。また時針を反時計回りに操作することにより、日付けの早戻しにも対応しています。そしてリューズの２段引きで分針を操作でき、時針・GMT針と連動して調整することができます。腕時計が止まった状態のときはまず２段引きで分とGMT針の時間（第2時間帯）を調整し、その後１段引きで時針と日付けを調整します。
複数本の機械式腕時計をローテーションで使用する筆者の場合、時計が止まってしまっていることも多いのですが、デイト表示付きのモデルは日付け調整の禁止時間帯などを考慮する必要があるため、日付けを合わせるのが億劫になります。しかし、アウトライアーのムーヴメントは止まった状態からも日付け変更禁止時間帯を気にせず安心して合わせることができるので、誤操作による故障のリスクをなくすことができるのは大変使いやすいです。
○裏ブタのエングレービング
裏ブタには協定世界時（ロンドン）を基準とし、世界24都市名と協定世界時（ロンドン）に対する時差が円周上に刻印されています。つまり時差の早見表が裏ブタに刻印されているのです。
この早見表を見たときに、筆者はアウトライアーの便利な使用方法を思いつきました。GMT針を協定世界時（ロンドン）に設定し、裏ブタの早見表を頼りに＋の時差なら反時計回り、－の時差なら時計回りに回転ベゼルを回転させます。この操作により、早見表の都市の現在時刻を表示することができるのです。この使用方法はスマートフォンの電波がつながらず、その都市の時差が分からない状況では役に立つと思います。
一般的なGMTウオッチはGMT針をホームタイムとして設定し、ホームタイムから東側の国ならベゼルを反時計回りに、西側なら時計回りにベゼルを回転させることにより現地時刻を表示させます。その使用方法も良いですが、裏ブタの早見表を有効に使いたいため、筆者はGMT針を協定世界時（ロンドン）に設定することを選びました。
○ブレスレット、バックル
ブレスレットはネジ式のバーにより、ケースに固定されています。ケースと弓カンに隙間、ぐらつきはなく、ツールウオッチらしい堅牢性の高さを感じることができます。バックルはツールウオッチには珍しいバタフライ式になっており、一般的なツールウオッチに比べて、薄い作りになっています。パソコン作業をする際に邪魔になることがありません。
○世界中のあらゆる場所に連れて行きたい
アウトライアーのGMT機能、200m防水、1000ガウス耐磁、耐腐食性といった性能は海外のリゾート地でシュノーケリングをするときなど、実施するアクティビティによって腕時計を外す必要がありません。まさしくアウトライアーは世界中のありとあらゆる場所へも連れていける腕時計だと思います。
○まとめ
アウトライアーの実機を使ってみるとボール ウォッチらしい側面を多く発見することができました。高い防水性や耐磁性はもちろんのこと、マイクロガスライトカプセルや操作性の高い回転ベゼル、早見表付き裏ブタなどの、実用を追求するボール ウォッチらしさが多く盛り込まれており、満足感の高いGMTウオッチに仕上がっています。
コロナ禍も終わり海外へ行きやすい世の中にやっと戻ったため、海外でのアクティブなレジャーでガンガン使えるGMTウオッチを手にすることができて本当に良かったです。そんなアウトライアーとこれからどんな旅に出られるのか、いまからとても楽しみです！
文◎寺田理人（Watch LIFE NEWS営業担当）
profile／学生時代に時計の魅力にハマり、いまでは24時間、腕時計を着用する生活をおくる。特にツールウオッチやミリタリーウオッチ、ダイバーズウオッチなどガンガン使える腕時計が大好物。念願だった時計業界に身を置き、現在はWatch LIFE NEWSの営業を担当。
写真◎水橋崇行
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