ロレックス ロレックス通信 小スライド 連載記事 @kikuchiのいまどきの時計考

「どれだけ重いんだろうか?」2024年新作の金無垢ディープシー|菊地吉正の【ロレックス通信 No.249】

2024年新作モデルの2回目は、今回の新作のなかで一番に驚いたというよりも「なんで?」と思ってしまった写真のディープシー、Ref. 136668LBである。

ディープシーは、防水時計のパイオニアとも言えるロレックスが、他を圧倒する3900m(1万2800フィート)もの驚異的な防水能力を備えた、まさにプロ仕様のダイバーズウオッチとして開発したモデルだ。

それにもかかわらず今回の新作では何と18金イエローゴールド製という実用とはだいぶかけ離れた素材が採用されたからである。

そして、真っ先に頭に浮かんだのが時計の重さだ。ディープシーはその防水性能を確保するために44mm径に厚さは17.7mmと巨大なオイスターケースを装備する。

公式資料にはその重さはさすがに記載されていないためわからないが、素材的にステンレススチールよりもだいぶ重い18金イエローゴールド製と考えると、かなりの重量になることは想像に難くない。

正直なところ実用時計を標榜していたロレックスはどこにいったのかと思ってしまうほど、頭をかしげてしまうのは否めない。

Back case of the Oyster Perpetual Rolex Deepsea

なお、上の写真を見るとわかるが、、裏ブタと9時位置側面にあるヘリウムガス排出バルブだけは防水構造上、既存のステンレススチールモデルと同様にRLXチタン素材が採用された。さすがにフルゴールド製とはならなかったようだ。

ただ、ロレックスらしいこだわりも見て取れる。冒頭にある画像リンク先に掲載した展開図を見ると、水圧に耐えるための高性能耐圧リングについては、既存モデルの窒素強化スチール製に対して、新作はサーキュラーサテン仕上げが施されたブルーのセラミック製が新たに採用。それによって文字盤外周に露出する耐圧リングをブルーにできたことで、ベゼルから文字盤まで途切れることなくブルーカラーで一体化された点は新しい。

国内定価は751万800円。明らかに富裕層狙いのため、おそらく数量はかなり絞られるだろう。そのため実勢価格は1000万円以上になるのではないか!

【画像】新作ディープシーの写真をもっと見る

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

>>>次ページ「【画像】新作ディープシーの写真をもっと見る」

次のページへ >

-ロレックス, ロレックス通信, 小スライド, 連載記事, @kikuchiのいまどきの時計考