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【ポストヴィンテージの名作に浸る】ホイヤーの人気モデル“オウタヴィア”の魅力を深堀り

アンティークウオッチの世界で名門と呼ばれているブランドといえば、ロンジンやパテック フィリップなどの名前が浮かぶだろう。しかし、そうしたブランドとは別に、本来ならばまだアンティークの分類には入らない1970年代の時計でありつつ世界的マーケットが形成されているブランドとなると、やはりロレックスの名前が挙がってくる。

近年はアジアを中心とした新興富裕層の増加や流通量の減少により市場価値も高騰しており、オークションやコレクターの間でロレックスのスポーツモデルはパテック フィリップに匹敵する価値をもつ名作として、その地位を確立している。そんななかで、ポストロレックスとして新たに注目を集めているのがホイヤーだ。

アンティークウオッチのマーケットを牽引しているオークションハウス、フィリップスにおいて著名コレクターの所蔵品が高値で落札されたことがきっかけとなり、60年代後半から80年代のホイヤーが再評価され、急激に市場価格が高騰していったのだ。

オウタヴィア オリーブグリーン PVD

【ホイヤーの傑作“オウタヴィア オリーブグリーン PVD”をもっと見る】

今回紹介するオウタヴィアもそのひとつ。ホイヤーの当時のCEOであったジャック・ホイヤーが初めて開発に携わったとされるこのモデルの初出は62年。オートモービル(自動車)とアビエーション(航空機)の造語をモデル名にしたといわれており、当時流行の兆しを見せていたスポーツウオッチのマーケットに向けて開発された。

近未来的な樽型ケースを採用したデザイン、そしてホイヤー・レオニダス、ハミルトン・ビューレン、ブライトリング、デユボワデュプラの共同開発により69年に世界に先駆けて発表された自動巻きクロノグラフムーヴメント“Cal.11”を搭載している。


一般的にはステンレススチールケースのモデルが知られているが、このモデルはケース、ブレスレットにPVDコーティングを施しているのが特徴。

また、プッシュボタンがケース右側、リューズが左側にレイアウトされている、レフトハンドの構造が個性的。ミドルケースに傾斜を付けたことにより、実寸よりも薄く見せることに成功し、装着感も高められている。


裏ブタにはPVDコーティングを採用せず、防水性表記や往年の“HEUER”ロゴを刻印。厚めの2階建て構造のムーヴメントを納めるために、裏ブタが膨らんだ構造になっているのも特徴だ。

 

そのほかのディテールは画像ページを参照。市場ではほとんど見ることがないコレクターズモデルであり、その色味や雰囲気から“ミリタリーモデル”の通称で呼ばれている。最大の特徴である樽型のフォルムと無骨な色使いのコンビネーションが、マニア心をくすぐる名作だ。


文◎Watch LIFE NEWS編集部

 

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