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【昭和の熱量を宿す異色作】国産ブランドの三男坊、オリエントが手掛けた“クロノエース・キングダイバー”の魅力とは

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


オリエント
クロノエース キングダイバー

今回取り上げるのは、1970年代頃に製造されたオリエントのクロノエース キングダイバーだ。

キングダイバーと言えば、40mm径を超える大型ケースにインナーベゼル、さらに視認性を高める夜光付きの時分針など、海外製ダイバーズウオッチを意識した意匠が魅力の、国産アンティークを代表するスポーツウオッチである。今回取り上げる個体に関しては、クッション形ケースや、夜光塗料がたっぷり載った幅広のアプライドインデックスなど、70年代前後のスペースエイジ・トレンドを色濃く反映した、パワフルなデザインが目を引く。

当時、セイコーやシチズンが堅実で耐久性に優れたダイバーズウオッチを開発していたのに対し、オリエントは独自のデザインセンスを発揮し、他とは異なるスタイルのダイバーズウオッチを展開していた。そうした点に、国産ブランドの中でも個性的な立ち位置を築いていた、オリエントらしさが感じられる。

【写真の時計】オリエント クロノエース キングダイバー。Ref.G429-16070。SS(43mm径)自動巻き(Cal.42950)。1970年代製。13万8000円。取り扱い店/ジャックロード

【画像:重厚なねじ込み式の裏ブタや純正のブレスレットの状態を確認する(全6枚)

もっとも、“ダイバー”の名を冠してはいるものの、リューズはねじ込み式ではなく、防水性能も本格的な潜水用途を前提としたものではなかった。そのため、本格ダイバーズというよりは、操作性やデザイン性を重視したスポーツウオッチとして位置付けられていたことがうかがえる。

文字盤に目を向けると、12時位置のライオンロゴやアプライト仕様のオリエントロゴ、さらに文字盤中央に入れられたクロスラインなど、秀逸なバランス感がたまらない一本だ。

オリエントロゴ下部の表記や、6時位置に配された“CA”ロゴから、本モデルは当時展開されていたオリエントの自動巻きシリーズ、“クロノエース”のバリエーションとして展開されたモデルと思われる。

クロノエースは、オリエントが展開していた薄型自動巻きムーヴメント、Cal.42系を搭載したシリーズである。2時位置に独立して配されたプッシュボタンを押すことで、日付あるいは曜日をクイックチェンジできる独自機構を備えていた点も特徴だ。また、3時位置のリューズで時刻合わせ、4時位置のリューズでインナーベゼルの操作が可能となっている。

同シリーズでは、ダイバーズタイプのみならず、グラデーションダイアルや、光の反射を演出するカットガラスを採用したモデルなど、当時らしい装飾性の高いデザインを中心に、多彩なバリエーションが展開されていた。

キングダイバーの名を冠したクロノエースにも、グラデーション文字盤やカラフルな差し色を取り入れたモデル、水深計付きモデルなどが存在しており、スポーティな外観に当時最先端の試みを融合させていた。

70年代という時代のトレンドや意匠を、そのままケースの中に封じ込めたかのような、オリエントのクロノエース・キングダイバー。堅実な作りを追求したセイコーやシチズン、あるいは実用性重視のスイス製ダイバーズウオッチとは異なるアプローチで独自の進化を遂げた、国産アンティークの魅力を現代に伝える興味深い一本と言えるだろう。

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文◎LowBEAT編集部/画像◎ジャックロード

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