セイコーは、1974年に誕生した日本発の高級ドレスウオッチブランド“クレドール”。今回は、日本伝統技法を取り入れた同コレクションの世界観を象徴するような3モデルを紹介する。
クレドール
Art Piece Collection 山口晃氏コラボレーション 限定モデル
まず紹介するのは、2025年8月8日(金)に発売予定となる、画家・山口晃氏が手掛けた数量限定モデルだ。
今回、山口氏が着目したのは、機械式時計のテンプ。時計の心臓部ともいえるこの部品が時を刻むさまに、彼は命の波紋の広がりを表現する。
スケルトン仕様の文字盤は、6時から9時位置にかけて切り抜かれ、その形状でエネルギーが開かれる瞬間を表現。ムーヴメント上には透明なガラスが一枚挟まれており、その表面にはメカニカルなデザインも施す。
また、このガラスに用いられた技法は、過去のクレドールのモデルに着想を得たものだという。二次元と三次元が重なり合ってできた繊細な動きは、クレドールと山口氏のコラボレーションならではだろう。
裏ブタでは一部をくり抜き、さらにテンプを月に見立てた。そこからススキ野が広がり、秋草や曲線、そして天体の楕円軌道へと展開するイメージが緻密に描かれる。なお、販売価格は330万円。国内15本のみの製造となる。
クレドール
シグノ 叡智Ⅱ 瑠璃色磁器ダイヤルモデル
セイコー創業140周年を記念して2021年に登場した“シグノ 叡智Ⅱ 瑠璃色磁器ダイヤルモデル”は、日本の美意識と高度な技術の結晶として注目を集めた。
文字盤に使用されている磁器素材のポーセリンは、釉薬を高温で焼成することで表面に滑らかな曲面が生まれる。これによって姿を見せる、光を含んだ柔らかな表情が特徴だ。さらに、インデックスやロゴは熟練職人の手描きによって施されており、温かみのある仕上がりに。
また、シースルーバック仕様の裏ブタから見えるムーヴメントにも、“受”の輪郭など注目すべき仕上げが施されているという。
なお、搭載ムーヴメントは、キャリバー7R14。このほか、約60時間のパワーリザーブも備える。販売価格は660万円となる。