アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
セイコー
プロフェッショナルダイバー300m
今回紹介するのは、1968年に製造されたプロフェッショナルダイバー300mだ。
1965年に登場したファーストダイバーこと62MASの登場から2年後、その2倍の防水性能を備えたプロフェッショナル300mの初代モデルが登場する。今回紹介するのは、その翌年(68年)に登場した、ハイビートムーヴメントのCal.6159を搭載する後継モデルだ。
ブラックの文字盤にゴールド色のインデックスと針を組み合わせたデザインが特徴的で、ひと目でセイコーダイバーだと判別できるアイコニックさと高級感を両立したデザインが魅力的だ。夜光にやや変色が見られるものの、全体としては良好なコンディションを維持している。

【写真の時計】セイコー プロフェッショナルダイバー300m。Ref.6159-7000。SS(44mm径)。自動巻き(Cal.6159)。1968年製。82万5000円。取り扱い店/BQ
【画像:開口部のないフラットな裏面や着用イメージを見る(全4枚)】
150m防水のファーストダイバーのケースは、当時の海外製ダイバーズウオッチの設計を参考にしていたが、プロフェッショナル300mでは、ワンピース構造、ネジ込み式リューズ、ミネラルガラス(ハードレックスガラス)の風防と、それを固定するバヨネット式のネジ込みリングなど、初代で不足していたスペックを十分に補い、セイコー独自の進化を遂げている。
当時のダイバーズウオッチとしても珍しいハードレックスガラスの風防は、キズこそ付きやすいものの、衝撃に強く割れにくいため、コスト面からもダイバーズウオッチの風防として最適であったのだ。それを踏まえたうえで市場に出回っているセイコーダイバーを観察すると、風防がキズだらけでフチに欠けがあっても、ひび割れを起こしているものや砕け散ってなくなっているものはほとんど見かけない。本個体については、キズもほとんど見られず、非常に良好な状態を保っている。
さらに、当時はまだ両方向回転式であったベゼルの裏側にはノッチを刻み、そこにスチールボールを当てる構造を採用。これにより不用意な回転を防ぎつつ、操作時にクリック感をもたらし、正確な位置への固定を実現した。この工夫は、現代のセイコーダイバーズに備わる逆回転防止ベゼルの設計思想の原点とも言える。使用者の安全を第一に考えた、まさにセイコーらしい発想だ。過酷な環境で使用されていた個体も多く、ベゼルにガタつきやクリック感の緩みを感じる個体も少なくないが、本個体は適度なクリック感が残っている状態だ。
ムーヴメントには、当時のグランドセイコーにも使用されていた自動巻きのCal.6159を搭載。毎時3万6000振動(毎秒10振動)のハイビート機であり、使用者の安全を考慮して、高い精度と耐久性を備えたムーヴメントとして選定されたことがうかがえる。また、競合他社に先駆けてガラス風防やワンピース構造を採用するという先見の明は、後に300mを超える深度での飽和潜水に対応した後継機であるRef.6159-7010、通称“ツナ缶”が誕生するのには欠かせない要素であった。そして、この時代に得られたデータは、現在のセイコーダイバーズたちにも脈々と受け継がれているのだ。
【LowBEAT Marketplaceでほかのセイコーの時計を探す】
文◎LowBEAT編集部
