2025年も残すところ、本日28日を入れてあと4日。今年の時計業界でも様々なニュースがあったが、この記事をご覧の方々はどんな出来事が印象に残っているだろうか。今回は“2025年時計業界、注目のニュースを振り返る”と題して、三つのトピックを選出。それぞれを振り返っていく。
【画像】グランドセイコーほか、2025年の注目ニュースモデル
【注目ニュース①】
“グランドセイコーから、小型自動巻き搭載の30mmユニセックスモデル登場!”

グランドセイコーの30mm小径自動巻き搭載モデル“STGK033”
4月25日より発売が開始されたグランドセイコーの“ヘリテージコレクション 62GS(Ref.STGK033)”。30mmという小径ながら自動巻きを搭載した現行GS最薄(厚さ10.5mm)の機械式モデルだ。
特筆すべきは、このモデルがレディースという位置付けではなく、ユニセックスに展開されていること。メンズ・レディースと明確に定義しない手法は海外ブランドでは多く見られるが、日本においてもその波の高まりを感じさせる出来事であった(当連載のテーマ“性別の垣根を超える腕時計”という観点とも合致する)。
【注目ニュース②】
“時計ツウからの評価も高いブランド、ファーラン・マリが日本上陸!”

2025年新上陸ブランド、ファーラン・マリのベストセラーモデル“ネロ・サッビア”
2021年にスイス・ジュネーブで創業した時計ブランド、ファーラン・マリが日本上陸。手頃な価格帯で、クラシックな魅力と新しさを兼ね備える個性豊かなコレクションを展開しており、時計ファンの間でも価格以上の質感と呼び声が高い。
“ヴィンテージ時計の美学の現代的再解釈”をテーマに、手頃な価格帯のメカクォーツモデル、ラ・ジュ―・ペレや手仕上げのプゾー製ムーヴメントを搭載した機械式モデル、パーペチュアルカレンダーなどの複雑機構モデルの三つの主要ラインを軸に展開。なかでもベストセラーモデル“ネロ・サッビア”はデザイン、質感、着用感ともに非常に高い完成度で強く印象に残った。
【注目ニュース③】
“高級時計シェアリング「トケマッチ」元代表を逮捕!”
最後は昨日12月27日に飛び込んできたホットなニュース。2024年3月より業務上横領・詐欺容疑で逮捕状が出されていた高級時計シェアリング“トケマッチ”の元代表が、ついに逮捕された。
高級腕時計をオーナーから預かり、その時計を貸し出すというサービスを行っていたが、所有者に腕時計を返却しないまま2024年1月末に突然サービスを終了。今回の逮捕で、約2年に及ぶ逃亡劇に終止符が打たれた。45都道府県で被害届が受理され、被害総額は高級腕時計およそ1700本分、実に28億円以上にのぼるという。
改めて甚大な被害総額と、高級時計を預ける人の多さに驚かされてしまった衝撃的なニュースであった。
それではまだ少し早いですが、良いお年をお迎えください。来る2026年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
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文◎市村 信太郎
