【ロレックス】通信 No.021|13の並行輸入店に聞きました。2019年何が売れましたか!ベスト10

 今回のロレックス通信は、2019年最後ということもあり、総括という意味でも2019年はどんなモデルが人気で売れたのかについて触れたいと思う。

 弊社が刊行している高級腕時計の専門誌「POWER Watch(パワーウオッチ)」の1月号(No.109/2019年11月30日発売)で実施している「2019年本当に売れた高級腕時計ランキング」という特集がある。これは毎年の恒例企画となっており、東京と大阪にある人気の並行輸入店、13軒にアンケート調査を実施し、その集計から選出された30機種をランキング形式で紹介するというものだ。

 そして今回は17回目となるのだが、それが異常とも言える結果だったのである。何と30位以内にロレックスが15モデルもランク入りしてしまった。調査対象が並行輸入店ということもあって毎回ロレックスの数が多いことは確かだが、それにしても過去には多くても8モデルぐらいで、それ以外は他のブランドがしっかりとランクインしていた。今回のようにさすがに半分がロレックスというのは初めてのことである。しかも総合トップ10では、そのうちの8モデルをロレックスが占めるというのも驚きだ。

 異常なプレミアム価格化が、これまでとは違うニーズを生み出したことも考えられるし、加えてインバウンド需要も背景にはあるのかもしれない。

 それともうひとつ、ランクインしたロレックス以外の時計に目を向けると、新しいものというよりも有名ブレンドで、しかもどちらかというと定番モデルが多い傾向にあった。時計ユーザーの堅実路線がさらに加速していることがわかる結果とも言えそうだ。気になる人は現在発売中のパワーウオッチ1月号(No.109)もチェックしてみてほしい。

 そして今回は、この30位以内にランクインした15機種の中から、ベスト10モデルについて紹介させていただく。なお、順位の横のカッコ内の順位は、ほかのブランドも含めた総合的な順位を表している。

 そしてもうひとつ、このランキングは特定の並行輸入ショップの情報に基づくものであって、もちろん正式なものではないことをあらかじめご承知おきいただきたい。

1位(総合1位):コスモグラフ・デイトナ(白) Ref.116500LN

■Ref.116500LN。SS(40mm径)。100m防水。自動巻き(Cal.4130)。国内定価130万9000円

6月からの値下がりを受け
販売数が激増

 4年ぶりに1位に返り咲いたデイトナ。その理由についてショップに話を聞くと、大きく三つの要因が考えられると言う。まず、ひとつ目が発表から4年を経て流通量が以前よりも安定したこと。二つ目が2019年の6月頃から始まった相場の下落、そして三つ目が消費税増税直前の駆け込み需要である。

 6月のピーク時に実勢価格が300万円を超えた相場が6月下旬から下がりはじめて9月中旬に一時は250万円台まで下落した。この相場の落ち込みと消費税増税前の駆け込み需要がちょうど重なったことで一気に売り上げを伸ばしたと考えらている。

2位(総合2位):エクスプローラー I  Ref.214270

■Ref.214270。SS(39mm径)。100m防水。自動巻き(Cal.3132)。国内定価68万7500円

汎用性の高い意匠と
100万円以下の相場が魅力

 2016年のマイナーチェンジで針と369インデックスへのクロマライト夜光が追加され、デザインバランスも改善した現行エクスプローラーⅠ。18年のランキングでは6位だったが、今回は一気にランキングを上げて2位となった。

 もともとエクスプローラーⅠは年齢を問わず着けられる、シンプルでベーシックなデザインで支持は高い。加えて、いまや人気のスポーツモデルのなかで100万円以下で買える数少ないモデルのひとつとなった。その意味で再注目されたことは今回の結果に少なからず影響したのかもしれない。

3位(総合3位):サブマリーナデイト Ref.116610LN

■Ref. 116610LN。SS(40mm径)。100m防水。自動巻き(Cal. 3135)。国内定価89万8700円

2年連続の1位から
3位にランクダウン

 圧倒的に高い支持を集めていたサブマリーナデイトもピーク時の6月上旬には140万円台と、さすがに上がりすぎたことが大きく影響したのではないだろうか。それに対して現在の実勢価格相場は120万円台と2018年末とほぼ変わらないぐらいに値下がりするなど、この乱高下の大きさも少なからず影響を与えたのかもしれない。ただ10月以降は横ばい状態で比較的に安定している。

 ただ、このサブマリーナデイト、ムーヴメントが旧型のため来年か再来年かはわからないが、いずれは新型ムーヴメントにマイナーチェンジされることは必至。その意味でも今後の値動きは最も予測を付けにくいモデルとなりそうだ。

4位(総合4位):サブマリーナ Ref.114060

■Ref. 114060。SS(40mm径)。300m防水。自動巻き(Cal.3130)。国内定価78万7600円

シンプルな意匠と
値頃感が需要増を後押し

 2018年の調査ではブランド全体での総合順位がトップ10圏外だったデイト表示の装備していないサブマリーナだったが、今回はついに総合でも4位と上位にランクインした。これは何と17年間で初めてのことである。

 18年の年末に100万円台の大台に突入して以降は現在まで100万円台を維持して推移しているが、それでもサブマリーナデイトに比べると20万円前後も価格が安い。加えて、昔のサブマリーナがそうだったようにデイト表示のないすっきりしたこのノンデイトを好むユーザーも多く、近年人気が高まっているとことも確かで、その影響もあるのではとショップは言う。

5位(総合7位):(旧)GMTマスター II  Ref.116710BKNR

■Ref. 116710BLNR。SS(40mm径)。100m防水。自動巻き(Cal.3186)。生産終了モデル

生産終了の決定による
急激な高騰が影響か

 2018年は2位とかなり上位にランクインしていたGMTマスターIIの黒青ベゼルだったが、今回は7位と大幅に後退した。順位を下げた理由は明らかで、生産終了に伴った実勢価格の急激な高騰だろう。

 1月頃に130万円前後だった相場がピーク時の5月下旬に200万円台に突入。流通量も少なく、相場の上昇が極端過ぎたため販売数が減少したというのが大方の見方のようだ。

 現在は170万円台半ばから180万円台後半。ちなみにこれに変わって2019年にリリースされた黒青ベゼルの新型は、現在だいぶ実勢価格が上がって200万円前後となっている。

6位(総合8位):サブマリーナデイト Ref.116610LV

■Ref. 116610LV。SS(40mm径)。300m防水。自動巻き(Cal.3135)。国内定価97万6800円

昨年とほぼ同じ相場で
安定した人気を獲得

 2010年に登場した現行の通称グリーンサブ。デイトナ、GMTマスターⅡなどと同様に3月頃から急激に実勢価格が上昇。6月には過去最高値の200万円台を記録した。しかし、その後に一気に下落。わずか2カ月半あまりで30万円以上も値下がりするなど、かなり乱高下したモデルのひとつだ。

 しかしながら、昨年と同じく8位と以前変わらず売れている。この要因のひとつとしてショップが挙げていたい理由がインバウンド需要だ。このグリーンサブは、地味に映る通常の黒ベゼルのサブマリーナデイトよりも派手目な色を好む外国人愛好家に人気が高く、その需要によって押し上げられたのではないかということらしい。

7位(総合9位):エクスプローラー II Ref.216570

■Ref. 216570。SS(42mm径)。100m防水。自動巻き(Cal.3187)。国内定価85万3600円

コストパフォーマンスの
高さが人気を後押しか?

 前回の総合18位から今回はいきなりトップ10に食い込むほど大躍進を遂げたエクスプローラー II。実勢価格相場は2018年と比較して10万円以上も上昇しているにもかかわらずだ。

 正直、その理由は判然としなかったが、ショップによると、プレミアム価格とはいえ、国内定価が同じような価格帯のサブマリーナデイトと比較するとその価格差はかなり違うと言う。

 確かにサブマリーナデイトが国内定価89万8700円に対して実勢価格の最安値で127万円とその価格差は約37万円。一方のエクスプローラー IIは85万3600円に対して107万円と約21万円だ。これが関係しているかどうかはわからないが、価格的な優位性は意外にも高い。

8位(総合10位):ヨットマスター ダークロジウム  Ref.126622

■Ref.126622。PT×SS(40mm径)。100m防水。自動巻き(Cal. 3235)。国内定価124万3000円

プレミアム価格ながらも
実勢価格は比較的に安定

 2016年に登場して以来、ヨットマスターの人気を牽引してきたRef.116622の後継機として19年に発表された新型ダークロジウム文字盤が総合10位にランクインした。

 国内定価124万3000円に対して、実勢価格が148万円と24万円ほどのプレミアム価格なのは変わらないが、それでもほかのスポーツモデルに比べると実勢価格の値動きの変動幅は控えめで推移している。

 また、旧モデルとの価格差もそこまで極端ではない点も支持を集めた要因になったようだ。

9位(総合11位):(旧)エクスプローラーII Ref.16570

■Ref.16570。SS(40mm径)。100m防水。自動巻き(Cal. 3085)。生産終了品

現行よりも2mm小振りな
サイズ感で人気上昇中

 2011年に生産終了となったエクスプローラーⅡの第3世代モデルが、今回は前回の総合27位から11位と大幅にランクアップを果たした。

 USEDの現在の実勢価格は70万円台半ばから80万円台後半。そのため現行エクスプローラーⅡよりも30万円ほど予算を抑えられる。加えて、近年では現行エクスプローラーⅡよりも2mm小さい40mmケースであることと、小振りで控えめなGMT針などが再評価されて人気が上がっていることも関係しているようだ。

 ただ、近年は流通量が減っており、希少性の高さも上がってきていると言う。

10位(総合13位):(旧)GMTマスター II Ref.116710LN

■Ref. 116710LN。SS(40mm径)。100m防水。自動巻き(Cal.3186)。生産終了品

生産終了に伴う希少性から
一気に需要増に

 2007年に登場し12年もの間生産され続けてきたが黒ベゼルのRef.116710LNも、今回5位にランクインした黒青ベゼルと同様に19年で生産終了になった。

 しかしながら、黒青ベゼルはリニューアル登場を果たしたが、このシンプルな黒ベゼルだけはそのままディスコンとなってしまったため、現行のGMTマスターⅡのラインナップには存在しない。それによって希少性が増したことから、急激に販売数が増加。115万前後だった相場が3月以降に170万円台まで一時高騰した。現在は落ち着いてきたがそれでも140万円前後と高めで流通している。

文◎菊地吉正(編集部)

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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