(後編)購入前に知っておきたい旧型サブマリーナーデイト、買いのポイント|【ロレックス】通信 No.107

 前編に引き続き20年以上ものロングセラーとなり2009年度で生産を終えたサブマリーナーデイト、Ref.16610を中心に、今回は実際に購入する際のポイントについて具体的に解説してみたい。

1989年から2009年度まで製造されたサブマリーナーデイト、Ref.16610

 前編では16610の魅力について下記の三つを挙げた。

1)30年以上も生産が続けられた優秀なムーヴメントである。
2)16610の後継機である116610LNよりもケースが薄くブレスも軽いため着けやすい。
3)ベゼルリングの素材が116610LNはブラックセラミックなのに対して16610はアルミニウムのためアンティークっぽい味わいが楽しめる。

 116610LNは、ベースとなるムーヴメントは16610に同じものの、堅牢性など外装のクオリティが格段に進化し、16610やそれ以前のサブマリーナーとはまったく別物になっている。そのため長く安心して使いたいという人にとっては116610LNに当然軍配が上がる。対して16610を狙うかどうかは予算的なメリットもあるものの、どちらかというと古っぽさを好むか好まないか、この雰囲気的な部分が最も大きいように感じる。

左がRef.16610、右が116610LN。並べてみると116610LNのほうがガッチリとした作りなのが一目瞭然だ

 16610は約21年間販売された。そのためユーズド市場での流通量が非常に豊富で条件にあったものを探しやすいというメリットはある。しかしその反面、同じ16610であっても販売時期に20年もの開きがあり、前所有者の使い方や製造年代によってもコンディションも価格も大きく変わる。その点からすると選択肢が広すぎて判断が難しい面があることも確かなのだ。

 では、何を目安にすればいいのか。当たり前の話かもしれないがやっぱり高年式の個体、つまり製造時期が生産終了の年に近ければ近いほど良い。目安としてよく言われるのは2007年以降の個体だ。もちろんその場合は実勢価格は高くなってしまうことを覚悟したい。

 それともうひとつ目安とされていることがある。それはケース横のラグ部分に設けられていたバネ棒用の穴の有無である。実は03年頃に塞がれそれ以降は存在しない。筆者はこの穴はぜんぜん気にならないし、逆にブレスを交換するときなどはとても便利だと思うのだが、見た目的にこの有無を気にする人は意外に多いようで穴の無い個体を狙う人は少なくない。この点も目安として知っておくといいだろう。

上が2003年以前の個体、下がそれ以降。ラグ部分のサイドにあったブレスを留めるバネ棒用の穴がなくなっていることがわかる

 では、それ以前の個体はダメかというとそれは違う。外装のコンディションと価格に納得がいくのであれば普通にありだと思う。現にさらに古いアンティークであってもロレックスの場合は普通に使える。それだけ元々の作りがしっかりしているからだ。

 ただし次の点だけは注意してほしい。それは古いものだけでなく高年式の個体も含めていえることだが、ユーズドはやっぱり実際に使用してみないとわからないということ。そのため時計を主に扱っており、アフターメンテナンスがしっかりしていて、しかもユーズド品であってもロレックスの場合は最低1年保証を設けているショップでの購入だ。加えて販売店でオーバーホールが済んでいるかどうかも必ずチェックし、済んでいるものをぜひ購入したいところである。

 さて来週の日曜日にお届けするNo.108は続編として、初歩的なことだがユーズド購入のポイントについておさらいしてみたいと思う。

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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