購入前に知っておきたい旧型サブマリーナーデイトの買い方(前編)|【ロレックス】通信 No.106

 ロレックスのなかでもダントツに人気が高いサブマリーナーデイト。暑いこの時期は特にカッコ良く感じる。最大の魅力はモノトーンで無駄な装飾も一切なく、さりげなく着けられる。性能や品質もさることながらこの使い勝手の良さが一番だと思う。

 ただ、いまや新品は170万円オーバーとおいそれと手を出せるレベルではなくなってしまった。そこで今回は新品ではなくユーズドに着目してみたい。しかも、少しでも予算のハードルを下げるという意味から、現行モデルではなく旧型サブマリーナーデイトをクローズアップする。

左が旧型サブマリーナーデイト、Ref.16610と右がRef.116610LN

 対象となるのは 2020年のモデルチェンジで生産終了した Ref.116610 LNと、これのひとつ前で 09年で生産終了した Ref.16610。ここではより予算が抑えられる後者を中心に前編ではその特徴について、後編では買い方のポイントを解説する。

 16610がリリースされたのは1989年のことだ。日本でいえばちょうど昭和から平成に元号が変わった歴史的な年である。生産期間は116610 LN がリリースされた2010年までと実に20年以上ものロングセラーとなった。

 16610よりも以前のモデルとの決定的な違いは搭載された自動巻きムーヴメント、Cal.3135にある。手巻きムーヴメントをベースに開発したものではなく、自動巻きムーヴメントとして一から専用設計した1000系ムーヴメントをベースに巻き上げ効率やメンテナンス性をより向上させた第2世代として開発、ある意味その完成形と言われたほど優秀なムーヴメントなのだ。

サブマリーナーデイトに搭載されているCal.3135。116610LNの場合は写真下側にある車輪のような形をしたテンプの中心にあるヒゲゼンマイが青色のブルー・パラクロム・ヒゲゼンマイに変更された

 そのためCal.3135は後継の116610 LNにも採用された。違いはヒゲゼンマイが耐磁性と耐衝撃性を格段に向上させたブルー・パラクロム・ヒゲンゼンマイに変更された進化版という点だ。いずれにせよCal.3135はトータル30年以上も生産されている。それだけ優秀だったということだ。

【写真】Ref.16610とRef.116610LNの違いを写真で比較チェック! 

 ムーヴメントはほぼ同じだが116610LNの外装はかなりブラッシュアップされており堅牢性などのクオリティはかなり高い。そのため実機を見比べると両者の雰囲気はだいぶ違う。しかしながら、いまとなっては逆にこのことが16610の魅力的なポイントと言えるのだ。そのポイントとは大きく二つある。

 ひとつは着けやすいサイズ感だ。ケース径は同じ40mmだが、116610LNよりケースは若干薄い。加えてブレスレットもすべてステンレスの塊ではなく、中央のコマは中空のため軽い。筆者のように手首の細い人にはこちらのほうがフィットするのは間違いない。

 そして二つ目はベゼルである。116610LNからベゼルリング(目盛り表示のある部分)にブラックセラミック素材を使ったセラクロムベゼルが採用されたため、ほとんど傷がつかない。それに対して16610は歴代モデルが採用するアルミニウムのため、ぱっと見たときの質感がまったく違い、ある意味古っぽい味わいみたいなものを感じる。しかもアルミニウムの場合は長年使っていると色も退色する場合があるなど、長く使えば使うほどアンティークのような経年変化も楽しめるのだ。

 手首の細い人やちょっと古っぽい雰囲気のほうがおもしろいと思う人は、ぜひショップで実機を見比べてもらいたい。さて来週日曜日(8月15日午前7時配信)の後編では、実際に購入する際のポイントと注意点について具体的に取り上げる。

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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