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【ロレックスに代表される青赤ベゼル】時計愛好家はなぜ “ペプシ”と呼ぶのか?(no.119)

現在、好評発売中のアウトライン×チックタックのコラボ第4弾「GMT-1950」。渡航先の時刻を簡単にセットできるため海外旅行にかなり便利

現在、好評発売中の人気ショップ“チックタック(TiCTAC)”とアウトラインとのスペシャルコラボレーション第4弾 “GMT-1950”。今回のアウトラインニュースでは、青赤に色分けされた24時間表示の双方向回転ベゼルについて取り上げる。

この24時間表示に青と赤に色分けされた回転ベゼルは何のためにあるのかご存じだろうか。元々は1950年代に旅客機のパイロット向けとして開発されたロレックスのGMTマスターという腕時計に初めて装備されたものである。

これはGMT機能と呼ばれるもので、時差のある二つの時刻を同時に表示するための機能を指す。現在これを装備した腕時計は各時計メーカーから数多く出ていて、そのほとんどは通常の時分針のほかにもうひとつの時針、つまり副時針(GMT針と呼ぶ)を備えており、そのGMT針と24時間表示の回転ベゼルとで第2時間帯を表示させるというものだ。

GMT機能には2種類存在する。GMTマスター II と同じく時針だけが動かせる海外旅行に便利なトラベル型GMT。とGMT針だけを直接操作するオフィス型GMT。写真のアウトラインGMT-1950は前者である

この機能が開発された当時の使い方はこうだ。例えば東京に居て時差マイナス14時間のニューヨークの時刻を表示させるとしよう。ベゼル上の三角マークをマイナス時差分なので右に14時間分回転させる。その際の赤いGMT針が指し示すベゼル上の数字がニューヨークの現在時刻となる。

【画像】ペプシベゼルとGMT針による第2時間帯の設定法を写真でチェック!

さらに、パイロットが旅客機の暗い操縦室内でも現地が昼なのか夜なのかを感覚的に判断できるようにとベゼルは2色に色分けされた。ただそれがなぜ夜間が青で昼間を赤としたのか正確なところはわからない。単純に寒色系を夜、暖色系を昼としたのかもしれないが。

そして本題だが、この青と赤のツートンベゼルのことを時計愛好家は“ペプシベゼル”の愛称で呼ぶ。これについては誰がいつ頃付けたのか正確なところはわからないが、単純にこの配色がアメリカの大手飲料メーカーのシンボルカラーに似ているからということのようだ。

ほかにもベゼルの色違いで次のような愛称が付けられている。
「黒赤」→ コーク(炭酸飲料)
「黒茶」→ ルートビア(日本はカフェオレ)
「黒青」→ バットマン(アメコミ)

【アウトライン×チックタック GMT-1950】
SS(ケース径37mm、ベゼル径39.3mm)。5気圧防水。自動巻き(日本製Miyota9075)。9万9000円

●チックタック取り扱い店舗一覧
●ウオッチライフニュースONLINE SHOPでも販売中
●商品の詳細はアウトライン公式WEBサイト

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菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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