アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。
ロレックス
オイスターパーペチュアル デイト Ref.1500
今回紹介するのは、1972年~73年頃に製造されたロレックスのオイスターパーペチュアル デイトだ。
本個体に使用されている絶妙な色合いのグレー文字盤は、見る角度によって白で記されたレターがグレー色と同化し文字が消えたように見えることから、通称“ゴーストダイアル”とも呼ばれている。12時位置に配された王冠のアプライドロゴは健在であるものの、ブランド名やモデル名などを主張しない、控えめで上品な雰囲気が魅力的な1本だ。文字盤の6時位置にはσ(シグマ)マークもプリントされており、文字盤の一部に貴金属が使用されている、希少な仕様の“シグマダイアル”であることがわかる。高級さを過度に主張しない点こそ、このモデルの美学と言えるだろう。

【写真の時計】ロレックス オイスターパーペチュアル デイト。Ref.1500。SS(34mm径)。自動巻き(Cal.1570)。1970年代製。69万3000円。取り扱い店/モンテーヌサカエチカ
文字盤にはシミや腐食、目立ったキズは見られず、非常に良好なコンディションを維持している。文字盤やアワーマーカーに配されたトリチウム夜光はクリーム色に変化しているものの、剥がれや欠けは見られない。
34mm径の小振りなケースには、高い防水性能を誇るオイスターケースを採用。ネジ込み式リューズは気密性を高める一方で、度重なる操作によりネジ山が摩耗するおそれもあるが、ロレックスが誇るCal.1570の携帯精度と、高効率な巻き上げ機構“パーペチュアル”との組み合わせにより、手巻きや時刻合わせといった操作回数を最小限に抑えることができる点は見逃せないポイントだ。
もちろん、製造から半世紀近くが経過しているため、当時ほどの防水性は期待できないが、裏ブタやリューズ周りのパッキン、場合によってはリューズチューブを交換し、防水検査を行うことで、現在でも日常使用に耐えうる防水性を確保できるだろう。
ケースとブレスレットには傷取り研磨が施されているが、オリジナルのケースシェイプは保っている。大きな打痕やキズもほとんど見られないため、コンディションを重視する人は必見の1本だ。
ムーヴメントには自動巻きのCal.1570を搭載。20年以上製造された実績が示す、信頼性と耐久性に優れたムーヴメントであるため、今後のメンテナンスについても安心できる。注意点として、ロレックスのムーヴメントは、油切れや、それに伴う摩耗が起きても問題なく稼働してしまう場合が多いため、時間の進みや遅れ、自動巻きローターからの異音、リューズ操作の違和感を覚えた際には早期のメンテナンスをおすすめしたい。
現行のロレックスでは味わえない、堅実でありながらも懐の深さを感じさせるおおらかな雰囲気。そんな親しみやすさをもつアンティークロレックスに注目だ。
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文◎LowBEAT編集部/画像◎モンテーヌサカエチカ
