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ゼロからわかる、大人のデジタル時計選び【第1回-意外に知らないデジタル時計の基礎知識】

 カジュアルウオッチを代表するジャンルとして広く認知されているデジタル時計。しかし、その歴史は意外に古く、現在では多様な進化を遂げている。若者向けの安価な時計、という従来のイメージを覆す魅力を備えたモデルを編集部が厳選。四つのキーワードごとにその魅力を紹介していく。まず第1回目は、意外に知らないデジタル時計の基礎知識を解説していこう。

【第1回-意外に知らないデジタル時計の基礎知識】

四つの主要デザインとデジタル時計の定義を解説

 様々なジャンルが存在する腕時計の世界。高級時計とカジュアルウオッチでは少々ニュアンスが違ってくるが、数ある時計ジャンルのなかでも、圧倒的な知名度を誇っているのがデジタル時計だろう。現在は筋金入りのアナログ機械式時計ユーザーだが、腕時計デビューは安価なデジタル時計だった、という人も多いのではないだろうか。

 そんな、身近な存在であるデジタル時計だが、実は正確な定義を把握している人は意外に少ない。一般的にクォーツを動力にして、液晶ディスプレイで時間を表示する時計をデジタル時計として認識していることが多いのだ。しかし、動力が機械式であるか、クォーツであるかはデジタル時計の定義には関係しない。デジタルは数字やインデックスを使って直接時間を表示する時計、逆にアナログは針を使ってインデックスを指し示して時間を表示する時計を指す。機械式時計のジャンピングアワー(数字をプリントした回転ディスクが毎時0分に動いて数字で時刻を表示する機構)をデジタル時計の原点のひとつとする説もあり、その歴史は意外なほど古いのだ。

 ただし、デジタル時計が一般的に知られるようになったのは、世界初LEDデジタル時計パルサーが1970年に登場してからだろう。LEDディスプレイで数字を表示するパルサーは当時の時計界にデザインと機能両面で革命をもたらし、その後、安価で大量生産に向いたLCDデジタル時計が普及した70年代後半を経て、80年代の多機能化、90年代のG-SHOCKブームと、クォーツの勢力拡大と足並みを揃えるように爆発的にシェアを伸ばしていったのだ。

 2000年代に入ってからもGPS機能を搭載するなど、多機能化を進めつつ製品がリリースされていたのだが、近年になって状況に変化が見られるようになった。パルサーが登場してから49年。誕生から半世紀に近い歴史を刻んだことでデジタル時計の再評価が進み、高級時計のジャンルを巻き込んで、多様なデジタル時計がリリースされるようになっている。

1970年代の初頭に開発された
電池式デジタル時計の原点的モデル
D-5
 上の写真は、1972年に製造された“パルサー”の第2世代モデル。70年にハミルトンが発表した初代のパルサーは、世界で初めてLED表示方式を実現した記念碑的作品。同時に、機械式時計のように可動パーツを使用せずに電子モジュールで電気を制御して時刻を表示する、世界で初めての電子制御式腕時計でもあった。当初、ハミルトンは製造に通常の機械式時計の5倍のコストをかけたと言われており、ファーストモデルは、大学の初任給が4万円前後だった時代に、日本円で約70万円もする高級時計であったとされている。

 

》01:液晶デジタル表示
 電力消費が激しかったLEDに代わり、1970年代後半からデジタル表示の定番として使用されているLCD液晶ディスプレイ。2枚の板の間に特殊な液体を封入し、電圧をかけることで数字や図式を表示する。明るい場所では反射光で時刻を表示するが、LED表示とは違って液晶そのものは発光しないため、暗所ではバックライトで時刻を表示する。
D-1a
ブラウンウォッチ
BN0106
D-1
■Ref.BN0106BKBTG。SS(41.5mmサイズ)。3気圧防水。クォーツ。6万9500円(税抜き)
【問い合わせ先】
アイ・ネクストジーイー
TEL.03-5496-4317
》ブラウンウォッチ公式サイト:https://br-time.jp

 

》02:ディスク式デジタル表示
 数字や目盛りをプリントした回転ディスクを使って時刻を表示するタイプ。写真の場合はディスクが見えているが、1970年代の機械式デジタル時計では小窓から数字のみを表示する。
D-2a
トリフォグリオ
ミリメトロ
D-2
■Ref. ML0000SSV。SS(42mm径)。5気圧防水。自動巻き(Cal.Miyota8215)。6万円(税抜き)
【問い合わせ先】
トリフォグリオジャパン
TEL.03-5396-4008
》トリフォグリオ公式サイト:https://trifoglioitalia.jp

 

》03:回転ドラム式デジタル表示
 数字をプリントした回転ドラムを使って、時間を表示するユニークなデジタル表示。近年は、高級ブランドの複雑機構モデルで、この回転ドラム式を採用する例も見られる。
D-3a
フューチャーファンク
FF104シリーズ
D-3
■Ref. FF 104-SV-RB。SS(44×42mmサイズ)。3気圧防水。クォーツ。1万3800円(税抜き)
【問い合わせ先】
ピークス
TEL.03-5778-3260
》フューチャーファンク公式サイト:http://www.futurefunk-watch.com

 

》04:デジアナ表示
 1970年代後半から80年代に数多く製造されたアナログとデジタルの混合仕様。近年は、あまり製造されていないが、スポーツモデルやコネクテッド ウオッチで採用されている。
D-4a
G-SHOCK(ジーショック)
マッドマスターGG-B100
D-4
■Ref. GG-B100-1A3JF。カーボン×樹脂(55.4×53.1mmサイズ)。20気圧防水。クォーツ。4万5000円(税抜き)
【問い合わせ先】
カシオ計算機 お客様相談室
TEL.03-5334-4869
》ジーショック公式サイト:https://g-shock.jp

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