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【気になるちょい古時計|no.07】 ゼニスのエル・プリメロを搭載するパネライとAMGの希少なWネーム

ルミノールクロノのスペシャルエディションとして2002年にリリースされたAMGとのWネーム

 2000年前後のちょい古時計をクローズアップする当企画。今回はパネライとメルセデス・ベンツAMGとのWネーム、“ルミノールクロノ For AMG”を取り上げる。

 実はこのモデルだが「ゼニスのエル・プリメロを搭載したパネライ」と題して、当連載の第4回で取り上げたルミノールクロノのスペシャルエディションなのである。

 ルミノールクロノは、ルミノールシリーズのクロノグラフモデルとして2000年に定番ラインに加わった。搭載されているのは毎時3万6000振動のハイビートクロノグラフムーヴメントとして名高いエル・プリメロベースのCal.OP IV。エル・プリメロは1980年代後半から2000年までロレックスのデイトナにも採用されていたゼニス社の名機である。

レギュラーラインとの違いは赤に塗られた太めのクロノグラフ秒針に三つのインダイアルがブラックからシルバーに変更された

 しかしながら、ルミノールクロノはわずか2年余りで生産終了となり、今回取り上げたこのAMGとのWネームは、その最後の年にリリースされたものだ。

 ではそもそもAMGとは何なのか。クルマ好きならほとんどの方がご存じだろう、もともとはレース用の自動車エンジンを設計していたエンジニアリングの会社で、アフターマーケットにおいてはメルセデス・ベンツのチューニングを手掛けていたことからマニアを中心に名を馳せたメーカーである。

 しかし、1999年にメルセデス・ベンツ(正確には当時のダイムラー・クライスラー)に吸収され、同社の高性能エンジンを搭載した最上位モデルの称号となった。そして、2014年からは正式にメルセデス・ベンツのサブブランド“メルセデスAMG”として、ハイパワーの高級スポーツカーを現在も展開している。

シースルーバックからは毎時3万8000振動のハイビートムーヴメントの動きが見られる

 ベースモデルとなったルミノールクロノとの違いは、太めでかつ赤く塗られたクロノグラフ秒針が採用され、三つのインダイアルがシルバーに変更された、いわば逆パンダ仕様になっている点である。また、AMGのロゴは文字盤上には一切なく、シースルーバックの裏ブタ外周にさりげなく刻印されている。あえてブランドを強調しないというところに、世界的なスポーツカーブランドとしての矜恃のようなものさえ感じてしまう。

 このルミノールクロノ For AMGだが、、実のところここに取り上げたステンレスとチタンのコンビブレスタイプのRef.PAM00108のほかに、もうひとつバリエーションが存在している。それは18金ホワイトゴールドケースに革ベルトという高級仕様のRef.PAM00105である。00108は100本限定なのに対して00105は55本限定と極めて少ない。そのため現在の実勢価格は00108が160〜180万円台。00105に至っては200万円台後半から300万円台と、両者ともかなりの高額で流通しているようだ。

パネライ
ルミノールクロノ For AMG
■商品データ
製造期間:2002年
型番:Ref. PAM00108(ステンレススチール×チタン)とRef.PAM00105(K18ホワイトゴールド)
ケース径:40mm
防水性:200m防水
駆動方式:自動巻き(エル・プリメロベーズ、Cal.OP IV)
その他:クロノグラフ(30分積算計、12時間積算計)、デイト表示付き
限定本数: 100本(PAM00108)/55本(PAM00105)

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菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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