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2023年新作エクスプローラー 40と36を写真で比較してみた|ロレックス通信 No.197

 

右が新作の40mm径、左が既存の36mmである

2023年新作ロレックスの4回目は、こういう展開になるとは恐らくは誰もが予想もしなかったであろう、エクスプローラーの新作についてである。

何が新しいかというと、ケースサイズが4mm大きくなって40mm径となった点だ。2021年に39mmから本来のサイズである36mm径に戻ったばかりだが、そのRef. 124270のサイズバリエーションとして今回ラインナップに追加されたというものだ。

ちょっと上の比較写真をご覧いただきたい。ロレックスのニュースリリース用の正面写真にスチールタイプが無かったためコンビタイプのRef.124273となってしまったが、36mmと今回の40mmとを同比率で並べたものである。

こうやって写真で比較するとわかるが、2010年に登場した39mm径のエクスプローラー(下の写真の左二つ)のときと同様に、サイズアップで文字盤のスペースが広くなったのに伴い、時分針やインデックスなどもサイズアップされているため、写真を見る限りではそれによる間延び感はあまり感じられない。

右が2009年に生産終了した36mm径のRef.114270。中央は2010年に39mmにサイズアップされた214270。左は2016年に分針を長く変更した214270

しかしながら、1mmといえども数値以上に見た目のイメージは大きく変わってくる小さな腕時計で、4mmもの差となるとサイズ感への影響は確実に出てくるに違いない。特にエクスプローラーの場合は、その歴史を鑑みると、36mm径に3・6・9デザインがある意味ではシンボル。そう考えると筆者もそうだがやっぱり最初の違和感は拭えないのかもしれない。

とはいえ、そう感じるのは一部の時計好きだけであって、36mmの後に41mmが加わったデイトジャストがそうだったように、エクスプローラーにおいても今後恐らくは36mmよりも40mmのほうに支持が集まることは想像に難くない。36mmに物足りなさを感じて二の足を踏んでいたユーザーなど新たな層を確実に取り込むことだろう。ただ、エクスプローラーは歴史的な傑作。その意味で36mmを残したことは、歴史を紡ぐという点からも大いに評価できるのではないだろうか。

価格は36mmの86万200円に対して90万9700円。4万9500円の差だ。

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菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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