10万円台から40万円台までの価格帯で高品質で満足度の高い時計を選ぶ場合、いまやはずせないカテゴリーとなっているのが国産ブランドの時計だ。
先進技術を取り入れた高性能モデルはもちろん、近年は機械式時計も増加。ETAやセリタといったスイス製の汎用エボーシュが高額化するなか、セイコー、シチズン、オリエントなど、国産ブランドは手頃な価格で確かな品質とスペックを備える機械式ムーヴメントの製造を強化している。
そんな国産時計で非常に存在感を増してきたのが、文字盤や外装に日本ならではの伝統工芸を取り入れたモデル。和紙、漆、七宝、陶磁、螺鈿(らでん)、琺瑯(ほうろう)、など様々な技術、素材を採用したモデルが登場しているが、いずれも海外ブランドにはない繊細な表現が魅力。国産時計の魅力を世界へ知らしめる役割を果たしている。
今回は、そんな日本の伝統技術を取り入れたモデルのなかから、10万円台から40万円台までの予算で購入できるおすすめモデルを三つセレクトしてみた。少しほかと違った個性を備えた時計を探している方は、ぜひチェックしていただきたい。
》伝統工芸を取り入れた国産時計
ザ・シチズン
高精度年差±5 秒 エコ・ドライブ 「CITIZEN」ブランド時計 100 周年限定モデル
ザ・シチズンが2022年に初めて発表した藍で手染めした和紙文字盤は、“ジャパンブルー”ともよばれる深みがあり冴えた色合いが美しく、“エコ・ドライブ”ならではの、光を透過させながら独特の風合いや色彩を表現できる新境地を切り開いている。その新たな表現として“筒巻き絞り染め”技法を取り入れた藍染和紙文字盤の限定モデル。筒に和紙を巻き付けた後、細かなシワを寄せながら一定方向に向かって手繰り、絞りと染色の工程を重ねる“筒巻き絞り染め”を採用することで、繊細な絞り模様の和紙を実現。手作業で染め上げた絞り模様や色合いは同じものができないため、唯一の個性をもつ時計を生み出している。
【問い合わせ先】
シチズンお客様時計相談室
TEL.0120-78-4807
【画像】独特のシワ感に注目、“筒巻き絞り染め”藍染和紙文字盤を見る
》伝統工芸を取り入れた国産時計
シチズンコレクション
NB3020-08A
漆の老舗“坂本乙造商店”との共同開発による銀箔漆文字盤を採用した機械式モデル。繭のやわらかな白をイメージした“繭色”の文字盤は、金属の上に白い漆を塗りそこに銀箔をまぶすように載せ、さらに銀箔の上に白い塗装を重ねることで、表情豊かな白斑(しらふ)柄に仕上げている。ひとつとして同じものは存在しない、独特な風合いが工芸的な美観を生み出している。ムーヴメントは自動巻きのCal.9184を搭載。文字盤の6時位置に24時間計、10時位置にパワーリザーブインジケーターを備える。
【問い合わせ先】
シチズンお客様時計相談室
TEL.0120-78-4807
【画像】銀箔と漆が生み出す、繊細で美しい文字盤を拡大してもっと見る
》伝統工芸を取り入れた国産時計
セイコー プレザージュ
クラフツマンシップシリーズ 有田焼ダイヤル
セイコー プレザージュのなかで、日本の伝統工芸に光を当て機械式腕時計で日本の美を発信する“セイコー プレザージュ クラフツマンシップシリーズ”にラインナップされるモデル。400年以上にわたり磨き続かれてきた有田の職人たちの技術によって誕生した有田焼の文字盤は、6時位置のサブダイヤルを椀状にくぼませたのち、釉薬をかけて焼き上げることで繊細で滑らかな陰影も実現され、クラシックさとモダンさを併せ持つ艶やかな表情に仕上げられている。白磁ならではの透明感と艶やかな陰影が美しい文字盤が印象的だ。
【問い合わせ先】
セイコーウオッチお客様相談室
TEL.0120-061-012
【画像】透明感と艶やかな陰影に注目、“有田焼文字盤”の美しさをさらに確認
文◎Watch LIFE NEWS編集部
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