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【ホワイトゴールド製ケースの隠れた名品】ジャガー・ルクルトの手巻き2針ドレスウオッチの魅力を探る

アンティーク時計専門サイト「LowBEAT Marketplace」には、日々、提携する時計ショップの最新入荷情報が更新されている。
そのなかから編集部が注目するモデルの情報をお届けしよう。


ジャガー・ルクルト
ヴォーグ

今回取り上げるのは、1970年代頃に製造されたジャガー・ルクルトの2針ドレスウオッチ、Ref.9043.22だ。

ムーヴメント製造の分野において名を馳せ、数々の名門ブランドへ傑作ムーヴメントを供給してきたジャガー・ルクルト。同社の歴史において、50年代から70年代にかけて展開された薄型ドレスウオッチのコレクションは、その卓越したムーヴメント製造技術を最もエレガントに体現したシリーズといえるだろう。

縦長で緩やかな曲線を描くトノー形ケースや、微細な縦横の筋目を不規則に重ねたテクスチャー表現が施された文字盤。艶やかなディープブルーのリングにホワイトのローマ数字を配したインデックスなど、最低限の要素を絶妙なバランスでまとめ上げた、洗練されたスタイリングが魅力の1本だ。

本個体は、当時ジャガー・ルクルトが“流行”を意味する名を冠して大々的に展開した“ヴォーグ(Vogue)”と呼ばれるコレクションに属する名作としても知られている。一見するとステンレススチール製のドレスウオッチにも見えるが、ケース素材には18金ホワイトゴールドが用いられている点も見逃せない。

【写真の時計】ジャガー・ルクルト ヴォーグ。Ref.9043.22。K18WG(32×25mmサイズ)。手巻き(Cal.818/2)。1970年代製。68万8000円。取り扱い店/WatchTender銀座

【画像:美しいテクスチャー加工の文字盤や手巻きムーヴメントの状態を確認する(全6枚)

クォーツ式ムーヴメントの台頭によって、機械式腕時計のあり方が大きく揺れ動いた70年代。しかし、当時のクォーツムーブメントの多くは、超薄型機械式ムーヴメントと比較するとまだ大型で厚みがあった。そうしたなかでジャガー・ルクルトは、自社が長年培ってきた薄型ムーヴメントの技術を活用し、圧倒的な薄さと美しさを追求した高級ドレスウオッチを数多く手がけたのである。

ムーヴメントには、同社を代表する超薄型手巻きキャリバーであるCal.818/2を搭載。このCal.818系は、その薄さと高い信頼性によって高い評価を獲得し、数多くの高級ドレスウオッチに採用された名機として知られている。過度な厚みを削ぎ落とした合理的かつ美しい輪列設計は、適切なメンテナンスを行うことで、現代においても特別なシーンに寄り添う確かな実用性を発揮してくれるだろう。

もっとも、非防水のケース構造であるため、湿気や水気には気を使って使用する必要がある点は要注意だ。

また補足として、現在のジャガー・ルクルトを象徴するアイコンである“レベルソ”は、40年代後半から長らく生産が途絶えていた歴史を持つ。その流れが変わったのが1975年。イタリア総代理店の提案によって、工場に眠っていたケースへ新たにムーヴメントが組み込まれ、市場への再登場を果たしたのである。

つまり70年代は、レベルソがようやく復活の産声を上げたばかりの、まだブランドの主力モデルとして確立される以前の過渡期にあたる。現代のように“ジャガー・ルクルト=レベルソ”というイメージが確立されていなかったからこそ、同社は本作のようなトノーやレクタングルをベースとした、自由で質感豊かなドレスウオッチのコレクションにも力を注いでいたのではないだろうか。

そんな同社の歴史を色濃く映し出すトノー形ドレスウオッチに、ぜひ注目してみてほしい。

 

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文◎LowBEAT編集部/画像◎WatchTender銀座

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