【なんと9万円】80年代デッドストックのスイス製手巻き時計を40年代風に再生したオシャレな角形時計!

 みなさんは角形時計をお持ちだろうか。腕時計は世の中に無数にあれどもそのほとんどが丸形ケースで、有名高級時計メーカーであっても、メンズの機械式で角形ケースとなるとほんのひと握りにすぎない。

 実は今回、筆者が展開する時計ブランド“アウトライン”の新作として、そんな角形時計を初めて作ったこともあって、ちょっと角形時計について書かせていただこうと思う。

 角形時計の歴史を辿ると1940年代には名の知られる時計メーカーのほとんどが作っていた。しかし現在はそういったメーカーでさえも出していないことのほうが多い。やはり需要が圧倒的に少ないというのが新しい角形時計がなかなか誕生しない決定的な理由なのだろう。

 そのため現在思い浮かぶ一般的なものを挙げてみても、ジャガー・ルクルトのレベルソ、カルティエのタンク、スポーツ系だとタグ・ホイヤーのモナコなど、もちろんほかにもあるが、どれも古くからあるものばかりと、その数は決して多くはない。

立体的なブレゲ風アラビアインデックスを採用した1940年代のデザインを採用。ケースはゴールドのほかにシルバータイプもあったがすでに完売

 角形時計とひと口に言ってもスクエア(正方形)とレクタンギュラー(長方形)がある。最も一般的なのは後者で、そのほとんどはクラシカルなデザインのドレスウオッチとして作られていることが多い。こういったことも需要が少ない要因のひとつに挙げられるのかもしれない。

 しかしながら、ファッション的な視点からすると、どちらかというとスーツなどのオンスタイルや、いまで言うところのきれい目カジュアルには品良く決まる。しかも、普段見慣れていないせいで新鮮な面もあるのだろう。小振りなものであっても熱い視線が注がれることは意外に多いのだ。

 ちなみに、今回作った角形時計は、アンティークの時計かと勘違いするほど、とても小振りなサイズ(ケースサイズ24×31mm、ケース厚8.3mm)である。理由は1980年代にドレスウオッチとして作られて日本で販売されたスイス製手巻き時計のデッドストックを、筆者が文字盤デザインをすべて作り変えて再生させたものだからだ。

レクタンギュラー138IV。真鍮ケース(金メッキ)。ケースサイズ24×31mm、ケース厚8.3mm。手巻き(Cal.FHF138)。限定26本

 これのオリジナルは、文字盤に数字などのインデックスや装飾は何もなく時分針だけというものだった。つまりノーインデックスタイプのドレスウオッチだったためファッション性の強いデザインだったのだ。それを今回はブレゲ風のアップライト(立体的な)のアラビア数字に置き換えて、1940年代の角形時計のような雰囲気に仕上げたというわけである。

 なぜ1940年代風にしたのかというと、この年代には俗に言う“角金時計”の傑作が多く誕生した時代で、デザイン的にも雰囲気がいいからだ。角金時計とは、1940年代に手巻きムーヴメントを搭載しケースに金張りを施したアメリカ製の角形時計を指す。

 有名なところだとグリュエン、ハミルトン、そしてエルジンがそれだ。これらの角金時計は80年代に日本の有名なメンズファッション誌が紹介し、比較的に手頃だったこともあって大ブレイク。ファッションのアイコンとして一世風靡したことがあったことから、今回そのテイストを取り入れたというわけである。

一見するとアンティークの時計かと思ってしまうほどクラシカルで落ち着いたデザイン、それに加えて小振りなサイズのため金メッキケースでも嫌味はそれほど感じない(もちろん時と場合にもよるが)

 このモデルもそうだが、角形時計はそのクラシカルな雰囲気から夏よりは秋以降の装いの方が合わせたときにより魅力的に見える。というわけで時期的にもちょうど良い。ぜひ、角形時計を手持ちのコレクションに加えてみてはいかがだろう。きっと日々のコーディネイトにも変化がつけられるはずだ。

 なお、今回紹介したレクタンギュラー138IVの詳細についてはクラウドファンデイングサイト「WATCH Makers(ウオッチメーカーズ)」にて紹介している。定価の10%OFFの9万円(税抜き)で予約も受け付け中だ。もし良かったらのぞいてみてほしい。

1793年にスイスで創業したムーヴメント専業メーカー、フォンテンメロン社の手巻きキャリバーFHF138を搭載

WATCH Makers

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。

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