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残念! ル・マン24時間レース100周年で追加発表された新デイトナ。その仕様とは。。。|菊地吉正の【ロレックス通信 No.203】

左がル・マン24時間レースの100周年を記念した新作デイトナ。右が通称ポール・ニューマンと呼ばれる手巻き時代のデイトナ

デイトナに関するニュースが飛び込んできた。今年100周年を迎えたル・マン24時間耐久レース。その開催(6月10日の日本時間23:00 〜6月11日の日本時間23:00)に合わせて、ロレックスはデイトナのスペシャルモデル、Ref.126529LNを発表したのである。

当のデイトナも誕生60周年を迎えた節目の年。50周年のときは記念モデルとして初のプラチナ製モデルをリリースしているが、4月の新作発表ではマイナーチェンジは実施されたものの、その新作には60周年記念らしいモデルはなかった。それがまさか後出しというカタチで控えていたとは、なかなか心憎い演出である。

写真は手巻きデイトナの第3世代で1970年代後半のRef.6263のエキゾチックダイアル仕様

ロレックスがオフィシャル・タイムキーパーを務めているのは、デイトナの由来ともなっているアメリカのデイトナ24時間レースと今回100周年を迎えたフランスのル・マン24時間レースだ。そして、この二つの24時間レースの優勝者には、「コスモグラフ デイトナ」が副賞として毎年贈られてきているようなのである。

では、今回発表された記念モデルとはどのようなものかというと注目点は二つ。ひとつはかつて俳優のポール・ニューマンが愛用していたことから通称ポール・ニューマンまたはエキゾチックダイアルと呼ばれ、いまやアンティーク市場において数千万円で流通する特殊なデイトナ(上の写真参照)に採用されたインダイアルのデザインが再現されている点である。

新作の9時位置のインダイアルは、12時間積算計から24時間積算計に変更。そしてポール・ニューマンモデルのシンボルのひとつとなったスクエア型のドットモチーフも目盛りの先端に再現された。加えてタキメーターの「100」だけに赤を採用し100周年を強調(©Rolex/JVA Studios)

そしてもうひとつは、本来9時位置のインダイアルにある12時間積算計(1時間経過するごとに1目盛り針が進んで記録)を、24時間耐久レースにちなんで24時間積算計が装備されている点だ。公式資料によると4月に発表された新型ムーヴメントのCal.4131をベースに7 個の部品で構成された特許取得のメカニズムを追加することによって実現したとのこと。つまり改良版のCal.4132が搭載されているというわけである。

このル・マン100周年記念のデイトナだが、見出しにも書いたいように、その仕様で残念なことがひとつある。それは写真からはわからないもののケースやブレスなどの素材にステンレススチールではなく18金ホワイトゴールドが使われているという点だ。そのため、公式サイトのカタログでは、デイトナのホワイトゴールドモデルのバリエーションとしての位置付けで掲載されている。

なお国内定価についてはSNS上では500万円台半ばぐらいじゃないかと予想されているものの、正式に公表されていないため実際のところはわからない。いずれにせよ、とんでもない実勢価格になることだけは想像に難くない。

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菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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