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もしかしてお買い得!? すべてがモンスター級の潜水時計 “ディープシー チャレンジ”|菊地吉正の【ロレックス通信 No.205】

ディープシー チャレンジに使用されているドーム形のクリスタル風防は1万1000mの水圧に耐えるためになんと9.5mmもの厚さになっている(©Rolex/JVA Studios)

7月最初のロレックス通信は、いよいよ夏も本番に近づいたということで、実はこれまでは、あまりにも日常的な実用からかけ離れているため、まだ一度も取り上げてこなかった、1万1000mというモンスター級防水性能を有したハイスペックダイバーズウオッチ“ディープシー チャレンジ(Ref.126067)”に注目してみたい。

このディープシー チャレンジが発表されたのは、毎年3月下旬に行われる新作お披露目の場“ウオッチズ&ワンダーズ”ではなく、年末も近づいた2022年11月1日だった。しかも突然の発表だったと記憶している。

実のところ、同年の3月にオメガからも6000m防水を備えたシーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープが発表されていただけに、その倍近い防水能力での登場だったこともあって、かなり衝撃的なものだった。

筆者も実機を実際に見ているが(今回で2度目)、わかってはいても、やっぱりそのデカさに驚かされる。ケース径が50mmというのもさることながら、何よりもケースの分厚さのほうが筆者的にはインパクトが大きかった。そのケース厚とは23.3mm。これだけの防水性能を実現することの難しさを、これを見てあらためて感じた次第である。

右がディープシー チャレンジで左が既存のディープシーである。実物を見ると写真以上にその大きさの違いがわかる

ちなみに、上の写真は3900m防水を備えたディープシー、Ref.136660(左)と並べて撮ったものである。ティープシーのケース径は44mmで厚さは18mmだが、それに対してチャレンジがいかに大きいかがわかるだろう。

このディープシー チャレンジはその巨大さゆえ、さすがにステンレススチール素材だと実際に使うということを想定した場合に、重さは現実的ではなかったようだ。

そのため今回はロレックスとしては初めてケースからブレスに至るまでフルにチタン素材を採用して軽量化が図られている。通常のディープシーの約215グラムに対して約250グラム。手首が貧弱な筆者からするとそれでも重く感じたが、スチール製に比べたら驚くほどの軽さになっているということなのだろう。

さて、このディープシー チャレンジだが、先日とある並行輸入ショップで話を聞いたところ、あまりにも特殊で流通量もかなり少ないため、実勢価格の提示にも躊躇してしまうぐらいに、今後どのような動きになるのかがまったく読めないため扱いにくいとボヤいていた。そのためなのだろう実際に調べてみると、ショップによって実勢価格に100万円ぐらいの開きがあたりするようだ。

<実勢価格は以下のとおり>
・ロレックス ディープシー チャレンジ
定価309万3200円|実勢価格600万円代後半〜700万円代後半
・ロレックス ティープシー
定価172万1500円|実勢価格200万円前後
・オメガ シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ
定価181万5000円(ブレス)|実勢価格150万円前後

正直なところ、こんな特殊なモデルをロレックスがずっと販売するとは思えない。そう考えると、ショップが「まったく読めない」というのもうなずける。

なお、1953年に深海潜水艇バチスカーフ・トリエステ号によって地中海で行われた3150メートルの深さまでの最初の深海トライアルの際、船体に取り付けられて防水能力がテストされた最初のプロトタイプ“ディープシー スペシャル ナンバー1”については当連載の113回(関連記事参照)で書いているため、そちらも併せて読んでいただけたらと思う。

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菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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