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【機械式時計と建築家のコラボレーション】スペイン、バルセロナの個性派ブランド、Lebond Watches(ルボンド・ウォッチ)に注目

Lebond Watches(ルボンド・ウォッチ)はスペインの地中海に面したバルセロナを拠点を置く、日本未上陸の独立系マイクロウオッチブランドだ。建築家とコラボレートし、その作品にインスパイアされた特別な時計を製作している。 なお、スペインを拠点とするルボンドだが、品質へのこだわりから時計はすべてスイスメイドだ。経験豊富な時計職人によって、最高級の素材で最高レベルの品質基準のもとで製造されている。

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現在までにファーストコレクションである“ルボンド シザ”を展開しているが、この記念すべき第1作を手掛けたのが建築家アルヴァロ・シザだ。1933年、ポルトガルの北部にある美しい海の町、マトジーニョス生まれたアルヴァロ・シザは、1992年には建築界のノーベル賞と称される、プリツカー賞を受賞したポルトガル建築界を代表する存在である。シザの建築作品はポルトガルを中心にスペイン、ドイツ、世界各国で見ることができるが、ポルトガル国内ではシンプルで白一色の建築物が多く、しばしば詩的と評されている。

“詩的モダニズム”と形容される彼の作品は、建築界に大きな影響を残しており、そんなアルヴァロ・シザがリーボンド・ウォッチのためにデザインした時計にも彼の特徴が垣間見られる。

PHOTOS BY FERNANDO GUERRA

“ルボンド・シザ”の一般的なデザインコンセプトは、シザが28歳だった1966年にデザインした“レサ”と呼ばれるプールをモチーフとしている。“レサ”はシザの故郷であるポルトガルのマトジーニョスの海岸線に作られているのだが、ダイナミックな起伏を備えた自然の岩礁に溶け込みつつ、直線的なプールの造形と岩礁が美しいコントラストを生み出すように設計されているのが特徴となっており、ケースデザインはスイミングプールのフォルムからインスピレーションを得ている。

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ちなみに、大胆で独創的なケースと共に、この時計のアイコンとなっている時針は、シザが複数のプロジェクトで使用したミニマムなトイレサインを応用しているそうだ。ケースはグレード5のチタン製で、表面にはサンドブラスト加工によってマットな質感が与えられている。マットなチタンケースは指紋が付きやすいのが難点だが、このモデルには指紋防止コーティングが施されているため、汚れを気にせずに着けることができる。

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ケースサイズは41.5mm、ラグからラグまでの長さは49.5mm、厚さ8.8mmで、マットブラックのFKMラバーベルトを設置。サファイアクリスタルを設置したケースバックから、搭載しているETA社のCal.2892-A2の造形と動きを楽しめる(サファイアクリスタルのケースバックにはアルヴァロ・シザのサインがエンボスされている)。

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文字盤はマットホワイトとブラックの2色をラインナップしており、ラッカー仕上げのベージュ、またはブラックの針、ベージュまたはブラックのインデックスの組み合わせとなっている。販売価格は2700ユーロ(約41万6000円)と手軽に購入できる時計ではないが、建築家アルヴァロ・シザの傑作をモチーフとした刺激的で完成度の高いデザイン、時計としても確かな品質を備えたディテールの作りを見ると、納得できる価格と言えるかもしれない。

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ルボンド・ウォッチは、ポルトガルの建築家エドゥアルド・ソウト・デ・モウラとのコラボレーション第2弾を発表している。 2011年にプリツカー賞を受賞したソウトは、抽象的なミニマリズムを端正なラインと地元の素材や建築技術を融合させた建築で知られる著名な建築家である。“Lebond Souto(ルボンド・ソウト)”と名付けられたセカンドコレクションは近日発売予定となっているようなので、デザイン好き、建築ファンの方は、ルボンド・ウォッチの動向を今後もチェックしていただきたい。


》Lebond Watches(ルボンド・ウォッチ)
公式サイト
https://www.lebondwatches.com


文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。

https://www.instagram.com/spherebranding/

 


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