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「外装研磨ってどうなの?」知らないと失敗するメンテのこと!|菊地吉正の【ロレックス通信 No.237】

ケースが傷というよりもかなりボコボコの状態のエクスプローラー II 。キレイにはなるがここまで酷いとケース自体も研磨によってかなり痩せてしまったという。もちろんそれを了承してもらったうえで実施(キレイになった写真はコチラ

年明け早々から定価改定があるなど、当連載も何かと価格相場のテーマが続いたため、久しぶりにメンテナンスの話題を取り上げたいと思う。今回は外装研磨(ポリッシング)についてだ。

いくら頑強に作られているとはいえ、ロレックスも使っていると当然ケース表面にキズが付くことは避けられない。それが気になる人はオーバーホールの際にケースを研磨してもらい、常にピカピカの状態にして使っている人も多いことだろう。

時計がきれいになるのは気持ちのいいものだし、美しいとさらに愛着が湧いてくるということも確かなので、もちろんそれ自体が悪いことではないのだが、キズを取るということは、同時にその分の外装表面を削るということになることも覚えておきたい。

ちなみに外装研磨について、アンティークのロレックスを得意としている修理技術者のクロノドクター・久保氏は次のように語っている。

「ケース研磨はなるべくならやらないほうがいいと思います。これはあくまでロレックスを資産としてみた場合ですが、海外、国内ともに時計愛好家や業者はオリジナルのままかどうかを重視するため、その意味ではキズ以上に研磨によるオリジナル性への影響はとても大きく、何度も研磨を繰り返しているとケース自体のフォルムも微妙に変わってきて、そのぶん評価が落ちてしまいます」

ヤスリのついた研磨きで表面を丁寧に研磨していく

特に避けたいのがスポーツ系モデルと18金のフルゴールドモデルだそうだ。スポーツモデルは人気が高いだけに評価にかなり影響するためで、一方のゴールドモデルは「過去に研磨を何度も繰り返されて穴が空いたケースの修理依頼がありました」(久保氏)。ゴールドモデルはステンレススチールと違い中空構造なので注意してほしいと言う。

また久保氏は、ケースについては、磨きはしなくてもベゼルの下やサブマリーナーであればクリスタルリングなどの見えない部分の錆び取りはちゃんとやってもらったほうが良いとも。防水性などに影響が出たりするからだそうだ。

もちろん、外装研磨についてはオーバーホールと違って“する”“しない”によって時計本来の機能に影響するわけではないためどちらが良くてどちらが悪いということではない。あくまでも美観かオリジナル性のどちらを優先するかは人それぞれで、所有者の価値観次第ということになる。

ちなみに筆者の場合は、オーバーホールを定期的に実施する際に、外装の研磨については工程からはいつも省いてもらっている。

では日本ロレックスの正規メンテナンスサービスの場合はどうか。直接電話で問い合わせたところ、オーバーホールの依頼時にその旨伝えれば省いてくれるとのこと。そしてその分の料金も1万円ほど安くなるらしい。ただし、研磨できる状態(および年式)と判断された個体の場合が対象とのことだ。

エクスプローラー IIの研磨後の写真

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菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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