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ぜひ手に入れておきたいヴィンテージ [第3回]|GMTマスター、Ref.1675|ロレックス通信 No.176

交換用のベゼルインサートも数万円から流通していることに加えて、交換も比較的に容易なため自分で付け替えられる。この点もGMTマスターの楽しみ方のひとつとなっている

 また、なかにはベゼルインサートが後年のものに交換されている個体もあったりするため注意を(その場合は売価が低く設定されていることが多い)。

 そこでこの点についてヴィンテージロレックスの修理を得意としている修理技術者のクロノドクター・久保氏に聞いたところ「いつ頃からなったのかは不明だがインサートの裏側が青であれば間違いなく交換用ということになる。ただ青でなくても年式によって使われている書体が決まっているため、個体年式と書体とでほとんど判断が付く」ということだった。ただ、ビギナーの場合は必ず専門店でそのあたりを確認して購入したほうがいいだろう。

 なお、エクスプローラー、サブマリーナー同様に同時期の1675は、1967年頃に光沢感のあるミラー文字盤から艶のないマット文字盤に仕様変更されている。これら初期製造分で特に、初代モデルのパーツを転用したと思われる“ミラー文字盤”や分目盛りが円を描くように外周に沿って線でつながる“ミニッツサークル”、そしてGMT針の三角マークが小さい“小GMT針”を備えた個体などは特に希少性が高くなり相場が一気に500万円超えになったりと跳ね上がるためコレクター向けとなる。そのため狙うのであれば当然マット文字盤ということになるだろう。

 現在の相場は170万円台ぐらいからで、200万円前後が中心といったところだろうか。現行モデルの黒青ベゼル(通称バットマン)や青赤のペプシベゼルがリバイバルされたことで、一躍人気モデルの筆頭に挙がる存在となったいまでは、1675も同年代のサブマリーナー以上になってしまった感は否めない。

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菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

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