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【意外に珍しい? ほぼ100%スイス製の腕時計】Oligo (オリゴ)に注目

Oligo (オリゴ)は時計師オリヴィエ・ゴードによって2022年に設立された、日本未上陸の独立系マイクロウオッチブランド。オリヴィエ・ゴードはジュネーブで生まれ育った人物で、スイスの高級時計ブランドやクリスティーズで時計師として実績を積んだ経歴をもつ。時計製造に関わるなかで、時計製造の持続可能性に注目するようになり、独自のコンセプトを掲げて自身のブランドである、オリゴを創設したのだ。

オリゴは環境に配慮した時計作りを信条としており、二酸化炭素排出量と環境への影響を最小限に抑えるために、地元のサプライヤーと協力して時計を製造するビジネスモデルを構築している。


オリゴのサプライヤーはすべてフランス語圏のスイスにあり、ケースの素材には100%リサイクルされたスイス製のステンレススチールを採用。そのほかのパーツについても、100% スイス製のサファイアクリスタル風防、スイス製の Soprod M100 自動巻きムーヴメント、さらにはジュネーブで生産された 100% リサイクル可能な紙パッケージを使用し、ほぼ100%に近いレベルで、文字通りスイス製の時計を販売するビジネスモデルを実現している。

現状、ベルトだけはスイスのサプライヤーではなく、イタリア、ローマに拠点を置く小規模メーカーから供給を受けており、PVCフリーで100%生分解性のマイクロファイバー素材であるビーガンエコスエードを採用することで、環境に負荷を与えないプロダクトメイキングを実現している。今回はオリゴの時計コレクションから三つのモデルを紹介する。

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オリゴ
最初のモデルは“オリゴ”。文字盤カラーはブルー、ブラウン、ブラックの3色から構成されており、ソリッドカラーの深みとブランド名やロゴがないことが相まってブランドの特徴である“フローティング・ハンド”を際立たせている。ケースサイズは41mm、厚さ9mm。ラグのないラウンドの形状にデザインされており、ベルトをケースの裏側に設置する一体感のあるデザインが印象的だ。

この時計の最大の特徴である“フローティング・ハンド”は2枚の極薄ミネラルガラスで構成された特殊な文字盤だ。ミネラルガラスにクロームメッキで針がデザインされており、宙に浮いているように見える仕掛けとなっている。ムーヴメントはソプロド製の自動巻きキャリバー、M100を搭載。最大40時間のパワーリザーブを備える。風防はサファイアクリスタル製で3気圧防水。サファイヤクリスタルを備えたシースルーバック仕様なので、ムーヴメントの造形を楽しめる。 文字盤は、ブラックが限定40本、ブラウンが限定20本となっており、両モデルとも販売価格は2600スイスフラン(約43万2000円) だ。



オリゴ ✕ レーベル・ノワール
次に紹介するのは“オリゴ ✕ レーベル・ノワール”。ジュネーブを拠点とする時計やアクセサリーのカスタマイズメーカー、レーベル・ノワールとのコラボレーションモデル。40本限定で、ガラスラッカーとゴールドダストが施されているアベンチュリンを思わせるブラック文字盤が特徴だ。文字盤はブラックラッカー独特の光沢を備え、24000個からなるゴールドフレークが、天の川を思わせる神秘的な美しさを生み出す。ブラックの深みとゴールドダストが、ブランドの特徴であるフローティングハンドを際立たせている。

100%リサイクルステンレススチール製ビーズブラスト仕上げのケースは、ブラックのADLC仕上げで強度を高めている。 ケースサイズは41mm、厚さは9mm。ムーブメントは最大40時間パワーリザーブを備えるソプロド製の自動巻きキャリバー、M100を搭載。販売価格は3950スイスフラン(約64万3000円)。


オリゴFM01
最後に紹介する最新モデルは“オリゴFM01”。 ジュネーブを拠点とし、ムーヴメントと数量限定の時計製造を専門とする小さな時計工房、フルーリー・マニュファクチュールと共同で製作されたモデル。

両ブランドは共にジュネーブを拠点に独立したエコ・フレンドリーな時計製造を行っているメゾンであり、ムーヴメントはオリゴのために特別開発した手巻きキャリバー、フルーリー・マニュファクチュールFM01を搭載。ムーブメントのブリッジとプレートには、リサイクル素材から作られた新しい亜鉛合金が使用されている。伝統的な装飾とコート・ド・ジュネーブ仕上げも手作業で施されている。 販売価格は8300スイスフラン(約135万円)。


》Oligo (オリゴ)
公式サイト
https://oligowatches.com/en/


文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。

https://www.instagram.com/spherebranding/

 


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