Ardra Labs(アルドラ・ラボ)は、ナヴァ・クリシュナンによって設立された、アメリカ合衆国の首都・ワシントンD.C.を拠点とする独立系のウオッチ メイキング スタジオである。
ナヴァは長年、自身が住むワシントンD.C.と南インドにある実家との間で時刻を把握するためにGMTウオッチを愛用してきたが、そこにはひとつの問題があった。

インドは標準時に対して5時間30分の時差のあるタイムゾーンを使用しているため、時刻を確認する際に30分を切り捨てなければならなかったのである。
ナヴァはこの問題をGMTコンプリケーションにおける重大な欠陥として認識するようになり、この問題を解決することがオリジナルブランド創設に向けた彼の原動力となった。
ナヴァはスケッチや試作品の制作を重ね、現在はなくなってしまった世界最大の時計見本市バーゼルワールドにも足を運び、ビジョンを共有する製造パートナーや投資家の支援を獲得。アイデアに対するフィードバックを得て自身のブランドを創設することになる。
ブランド名は、創業者ナヴァが生まれた際の月宿(ルナ・マンション)である“アルドラ”に由来する。月宿とは、天文学・占星術に由来する、天球上の恒星を28のグループ(二十八宿)に区分した星座体系のこと。“アルドラ・ラボ”は、ナヴァのルーツとなるアジアの文化にも影響を受けながら、独創的なコレクションを生み出している。
【画像】特許取得中のGMT表示、アルドラ・ラボ“デルタ タイプ”を別アングルで見る
Ardra Labs(アルドラ・ラボ)
デルタ タイプ
今回紹介する、デルタ タイプは、既存のGMTウオッチの機構をさらに発展させ、30分・45分オフセット地域を含む地球上のあらゆる二つのタイムゾーンの時刻を表示可能としたモデルだ。
1950年代に登場したGMTウオッチは、時計史において時刻の読み方を根本から変えた。旅行者が初めて、どこへ行っても故郷の時刻把握できるようになったのだ。

しかし、グリニッジ標準時を基軸として設計された従来のGMTウオッチは、ほとんどの国において機能するが、すべての人に対応できるわけではなかった。
世界の10カ国に暮らす約17億人が、グリニッジ標準時から30分または45分ずれた非標準タイムゾーンの地域に居住しているためだ。例えばインドはGMT+5:30、ネパールはGMT+5:45、オーストラリアの一部地域はGMT+9:30だ。従来のGMTウオッチでは、これらのタイムゾーンの追跡ができないのだ。
デルタ タイプは、特許出願中のGMT表示によってこの課題を解消している。文字盤中央にリーフ型の時針とV字型の分針が装備。
ホワイトのスーパールミノバが塗布された“V”の角は標準となる分、ブルーのスーパールミノバが塗布された矢印は30分、グリーンのスーパールミノバが塗布された最も大きな矢印は45分の時差と、ひとつの針でミニッツサークルを三箇所同時に指し示すことができるわけだ。
文字盤上“0、0.5、0.75”のカラースケールは、白・青・緑それぞれの矢印色がどのオフセットに対応するかを示す目印となっている。
L字型のGMT針の先端にも白・青・緑の三つのポイントがあり、それぞれ整時・30分・45分のオフセットに対応24時間ベゼルのインデックスに合わせて時間を確認できる。
ケースは直径39mm、厚さ11mm の316Lステンレススチール製で、サファイアクリスタル(反射防止コーティング付き)を採用し、100m防水を備えている。
ムーブメントはセリタの自動巻きキャリバー、SW-330を搭載しており、シースルーケースバックから鑑賞可能である。
スイス製で300本限定で、2026年3月末の段階で販売価格は2450米ドル(約39万円)。プレオーダーを受け付けており、26年8月より順次発送が予定されている。
2026年3月時点で公開中の画像のケースバックには“Patent Pending(特許出願中)”の表記があるが、最終製品には“Patented(特許取得済み)”と刻印される予定だ。
【画像】裏ブタからムーヴメントを鑑賞、“デルタ タイプ”を別アングルで見る
》Ardra Labs(アルドラ・ラボ)
公式サイト
https://ardralabs.com/
文◎William Hunnicutt
時計ブランド、アクセサリーブランドの輸入代理店を務めるスフィアブランディング代表。インポーターとして独自のセレクトで、ハマる人にはハマるプロダクトを日本に展開するほか、音楽をテーマにしたアパレルブランド、STEREO8のプロデューサーも務める。家ではネコのゴハン担当でもある。
https://www.instagram.com/spherebranding/
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