ロレックス ロレックス通信 小スライド 連載記事 @kikuchiのいまどきの時計考

秋の装いにさりげなく“金”。革ベルト仕様のちょい手頃な古デイトジャストはいかが!|菊地吉正の【ロレックス通信 No.217】

デイトジャストの第3世代、Ref.1601/8。18金イエローゴールドのケースながらホワイト文字盤はやはり大人っぽく上品で嫌味がない

うだるような暑さだった異常な夏も終わりに近づき、ようやく秋の気配が感じられるようになってきた。これからはひと雨ごとに深まっていくことだろう。

さて、秋と言えば、グルメ、旅行、ファッションなど楽しみはいろいろ広がる魅力的なシーズンだが、時計好きにとっては、これらに加えて防水性が低い古い時計が着けられるようになる、そんな頼もしい季節でもある。

そこで今回のロレックス通信は、この秋の提案として、18金イエローゴールドケースを使ったちょっと古い旧型のデイトジャストを紹介したいと思う。実は筆者もいま狙っている時計のひとつなのである。

日本人の場合は、18金ゴールド製腕時計に対して成金趣味などと言われて敬遠されていた時代が以前は確かにあった。しかしいまとなっては、ダイヤモンドなどがセットされたゴージャスな宝飾時計は別としても、シンプルな金ケースの腕時計の場合は、そのようなネガティブな風潮はだいぶ薄れたように感じる。

おそらくは以前と違って、時計自体のデザインもかなり洗練されていることに加えて、ファッションスタイルの多様化も大いに関係しているのだろう。

こちらは同じRef.1601/8のゴールドケースの王道とも言えるシャンパン文字盤。ただドレッシーさが増す

さて、ここに取り上げた第3世代デイトジャストのゴールドモデルだが、本来は18金イエローゴールド製のジュビリーブレスレットが付くが、流通数が極めて少なくかなりの高額。

しかし、現在は革ベルト仕様での流通が一般的になっているため、予算もだいぶ抑えられるうえ、ブレスに比べて見た目にも金の面積がだいぶ減るため逆に使い勝手はいいなど意外にハードルは低いのだ。

筆者も18金ゴールド製の腕時計を所有しているものの、すべてクラシックなドレスウオッチのためカジュアルな装いにはあまり似合わない。その点、デイトジャストはスタンダードなデザインのため、この革ベルト仕様であれば嫌味がなく着けられて、どんなファッションにも合わせやすいのでは、と思った次第。

しかも、ショップに聞いたところによると、同じデイトジャストの第3世代でもステンレスやコンビモデルと若干ケースの形状は違うために、革ベルトをセットしてもケースとブレスとの隙間があまり目立たないため雰囲気はいちばん良いらしいのである。

現在の実勢価格は90〜120万円といったところ。なお購入の際は、時計にセットされている革ベルトの尾錠はロレックス純正のものを選びたい。

【SPEC】
製造期間:1960年代〜1970年代後半
型番:Ref.1601/8
素材:K18YG(36mm径)、プラスチック風防
防水性:50m(当時)
駆動方式:自動巻き、Cal.1565(毎時1万8000振動)、1965年頃からはCal.1575(毎時1万9800振動)※キャリバー番号の末尾「5」はデイト付きを表す

【関連記事】
■福島第一原発の処理水で知られる「トリチウム」。90年代以前の腕時計はそれによって逆に価値が上がるってホント!?
■価格差に見る定価改定の影響とは|9月度のロレックス相場定点チェック!|菊地吉正の【ロレックス通信 No.216】
■初めてのアンティークロレックスにおすすめのデイトジャストの第3世代はいまおいくら?|ロレックス通信 No.146
■旧型デイトジャストの16200番台と116200番台、どっちを選ぶ?|ロレックス通信 No.156
■主要11モデルの週刊ロレックス相場(9月22日更新)

菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa

時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」などの時計雑誌を次々に生み出す。現在、発行人兼総編集長として刊行数は年間20冊以上にのぼる。また、近年では、業界初の時計専門のクラウドファンディングサイト「WATCH Makers」を開設。さらには、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のクリエイティブディレクターとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。
2019年から毎週日曜の朝「総編・菊地吉正のロレックス通信」をYahooニュースに連載中!

-ロレックス, ロレックス通信, 小スライド, 連載記事, @kikuchiのいまどきの時計考