》文字盤について
前作のインペリアルから、バロック様式の象徴的なモチーフのひとつであるアカンサス(葉あざみ)の装飾を施したスケルトン文字盤を継承。プレス加工で仕上げたという曲線を多用したアカンサス(葉あざみ)の装飾のクラシックな意匠と、微細なパーツで構成されたトゥールビヨン、立体感のある造形の組み合わせが文字盤に建築物のような奥行き感を加えている。
また、前作では細めの分表示サークルと夜光バーインデックスの仕様だったが、メトロポリスでは分表示サークルが少し太めになり、インデックスもローマインデックスとバーインデックスの混合に変更。凝縮感と奥行き感が増したため見た目のバランスが良くなり、視認性も高められている印象だ。
》裏面の作りもチェック
手頃な価格帯の機械式時計は42時間前後のパワーリザーブ(最大巻き上げ時の駆動時間)が主流だが、このモデルでは、動力となるゼンマイを納めた香箱を二つ搭載した“ツインバレル”仕様にすることで、約72時間のロングパワーリザーブを実現。ゼンマイを納めた香箱は裏面にもスケルトン加工を施しており、アカンサス(葉あざみ)の装飾を通して、裏面からもトゥールビヨン搭載ムーヴメントを鑑賞することができる。
》外装について
前作のインペリアルはサファイアガラスのミドルケースを採用していたので43mmだったが、新作のメトロポリスはケースの直径が41mmと小振りになり、厚さも13mmから11.5mmに変更された。シリンダー型のサイド、ストレートなラグを採用したデザインは、ドイツらしい重厚感を備えつつよりシンプルで着けやすい仕上がりと言えるだろう。
【装着感について】
ケースのサイズを2mm、厚さを1.5mmダウンさせてラグを短めの造形に仕上げ、さらにラグは手首にむけて角度を付けている設計になっているためラグの上下幅は48mmだが実寸よりも手首になじむ印象だ。サイズだけでなくデザイン面でも前作よりも装着感を高める工夫が見られる。
【メトロポリス実機レビュー:まとめのコメント】
基本デザインは以前に発売されたインペリアルを踏襲しているが、インペリアルで細めの分表示サークルと夜光バーインデックスだった仕様が、分表示サークルが少し太めになってローマインデックスとバーインデックスの混合に変更され、見た目のバランスが整えられたように感じる。シリンダー型のケースサイド、ストレートで堅牢なラグなど、サイズをコンパクトにまとめつつ、ドイツらしい重厚感を備えたデザインになっているのも好印象だ。また、ヴァルドホフは共栄産業と提携することで日本国内でのメンテナンス体制を確保している点も特徴のひとつ。20万円〜30万円台という価格は決して安いものではないため、国内でメンテナンス体制が整えられている点も評価したい。
【問い合わせ先】
カルペディエム
MAIL:info@carpediemjp.com(※問い合わせはメールにて対応)
文◎船平卓馬(編集部)
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